浅草・一文本店

アメリカのトランプ大統領が2度目の来日を果たした。
明日日曜日は安倍首相とのゴルフから両国で相撲観戦。
正面の升席を全部借り切って椅子を置いて観るという。
今日14日目に優勝は平幕の朝乃山に決まってしまった。
 
さて、浅草の老舗の居酒屋「浅草一文本店」である。
今回ひさびさの江戸文化研究会例会の幹事役となり
桜の季節を見込んで勇躍本拠地浅草へと乗り込んだ。
早い開花に肝を冷やすが満開が長くなんとか間に合う。
 
 

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仲見世は歩く人の顔もいよいよ国際色豊かに。
 

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薄暮浅草寺門前で散り際の桜が美しい。
 

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店に行く前に仲見世近くの佃煮の海老屋に寄り
もう店じまい寸前のところご主人に無理を言って
数ある中からくるみ小女子葉唐辛子昆布を買う。
これで明日からの朝飯が少しだけ楽しみになる。
 
目指す「浅草一文本店」は浅草寺本堂の脇から
裏に抜けてさらに言問い通りを渡ったエリアに
築70年を超える古民家を改装した風情ある店
時代劇のような外観は江戸文化研究会に相応しい。
 

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近頃は「裏浅草」とか「奥浅草」とか呼ばれて
知る人ぞ知るうまい店が多く集まっているとか。
表の浅草に比べ人通りも少なく大きな店もないが
名店を求め探索したくなるような雰囲気がある。
 
一階は広い部屋と半個室で囲炉裏のある部屋も
予約の時に囲炉裏部屋をオファーしたが通らず。
急な階段を上がると二階にいくつか個室が並ぶ
今回は座敷にテーブルと椅子が置かれた部屋に。
 
お通し
居酒屋というよりは
品のいい小料理屋の設え
 

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お造り
穴子と小肌
 

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お品書きの値段が10文、20文になっている。
一文=100円で現金を木札に両替する趣向だと
店のホームページには確かにそう書いてあったが
どうやら形骸化しているらしく両替はなかった(笑)
 
さすが博覧強記の人が集う江戸文化研究会の例会
そこで江戸時代の経済と通貨の話題で盛り上がる
ちなみに通貨の単位は世界的にも珍しい四進法で
1両は4分、4分は16朱、16朱は4000文。
 
1000文の束がいわゆる一貫文で1分に相当する
なんて言われても普通の人は実感がわかないだろう。
ちなみに寛永通宝など昔の銅銭の穴がなぜ四角いか
その理由も丁寧に説明されたがもう忘れてしまった(汗)
 
葉山牛のカルビ
鉄鍋でサッと焼く
 

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クジラのコラーゲンサラダ
和風ドレッシングで
 

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カニとホタテのすり身のシウマイ
こちらはポン酢で
 

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江戸文化研究会でしばしば話題になるテーマがある。
まずは歌舞伎や落語、長唄や三味線などの古典芸能
音楽はジャズ、カントリー、ブルーグラスまでカバー
テレビの話をするが圧倒的に多いのは古い大河ドラマ
 
作家で言えば池波正太郎司馬遼太郎はよく出て来る。
もちろん戦国武将やお城も大好物なので話は尽きない。
たとえば「国宝五城」と言えば姫路犬山彦根松江松本
このくらいスラスラ出てこなければ会員資格はない(嘘)
 
ねぎまはもともとねぎとまぐろの葱鮪鍋
千住ねぎ、椎茸、エノキ、白菜、豆腐
緑色ののらぼう菜はサッと湯通しして
ねぎまは2分くらい湯につけていただく
 

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鍋のいい所は野菜をたくさんいただける所
 

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濃い色の出汁で器によそうとこんな感じ
 

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しめのうどんは玉子でとじて
 

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最後の頃はうどんもねぎも真っ黒
 

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デザート
アイスモナカでさっぱり
 

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「浅草一文」の店名に由来する一文銭の話題から
後半は切手蒐集やプラモデルなどの話で盛り上がる。
ミニカー、プラレール、怪獣など方向性は違えども
男子のDNAにはコレクター魂が確実に備わっている。
  
バリエーション豊かなねぎま鍋コースをいただいて
あらん限りの知識を動員して江戸文化を語り尽くす
薄暮の花見からあっという間に浅草の夜は更けゆく。
次回プラモデルの話をさらに詳しくとの予告もあった。
 
浅草一文本店
03-3875-6800