赤坂・樓外樓飯店

「赤坂サカス」がついにグランド・オープン。
TBSでは朝から13時間半の生放送実施中。
あいにくの雨模様で、会場の絵はやや寒いが、
視聴率的にはかえって救われているかも・・。


さて、赤坂の高級中華「樓外樓飯店」である。
赤坂というよりは、料亭の立ち並ぶ溜池辺り。
昭和33年、1958年オープンという事は
今年でちょうど50周年、レコード大賞と同じ。



「Seventh Heaven」とは
キリスト教などの教義に見られる概念で、
7つに別れる天国の最高層を指すという。
そんな極上のタイトルが似合う高級店だ。


前菜盛り合わせ
ピータン、クラゲ、棒々鶏、きゅうり。
定番の前菜がひとそろい。



フカヒレ姿煮
見たこともないような、
でかくて厚いフカヒレ



海老のチリソース
こちらもでかい。



今日のメンバーは
ひとまわり以上年の離れた
芸能界の大先輩ばかり4人。
古い話が多くて、口をはさめない。


尾崎紀代彦が「また逢う日まで」で
昭和46年に日本レコード大賞に輝いた頃、
なんとマネージャーだったという方がいた。


朗々と歌い上げるスタイルで知られるが、
声量と歌のうまさは当時からけたはずれで、
北島三郎が渾身の力で歌う「兄弟仁義」を、
「寝転がってでも歌える」と豪語したとか。


ただし忙しいスケジュールもあってか
当時の尾崎紀代彦は遅刻の常習犯で、
マネージャーとしては相当に苦労したらしい。


ほうれん草炒め
ゴテゴテに重いメニューの
合間にあれっと思うような
シンプルな一品。



麻婆豆腐
胡椒が利いて辛い。
陳麻婆豆腐に近い。



春雨とひき肉炒め
蒸しパンを添えて
全体的に濃い味だ。



「森進一には何気にいい歌が多い。」
なぜか突然、森進一の話題になった。
「花と蝶」「年上の女」「命かれても」
ここまでならギリギリついて行ける。


「それ3曲とも彩木雅夫作曲じゃない。」
と、やがて作曲家の話題になる。
北海道放送のディレクターから転じて、
昭和40年代を中心に大活躍した作曲家。
「なみだの操」や「長崎は今日も雨だった
なども彩木雅夫の作である。


「『命かれても』は特にいいよね。」
「作詞は誰?」マニアックな質問に、
鳥井実!」と別の誰かが即答する。
芦屋雁之助の「娘よ」で知られる作詞家だ。


リアルタイムを知っているからこそ
知識がいやでも身についている感じ。
聞いたことのない歌手や作家の名が
円卓の上をポンポン飛びかって行く。


さらに・・
「『命かれても』に出てくるような
不幸な女が世間にいなくなったから
演歌が売れなくなってしまった。」
と、歌謡曲不振の業界を嘆いてみせる。


上海焼きそば
塩味のサッパリ焼きそば
具も少なめがむしろいい。
玉子スープと一緒に。
今日のメニューはとにかく「定番」。
奇をてらわない基本のメニューだ。



杏仁豆腐
ここまで来たら
最後もやっぱり「定番」で。
これだけは極端に薄味だ。



レコード大賞50周年を迎える年に
謡曲の歴史の風化を危惧しながら
同じく50周年を迎える樓外樓飯店で
日本の中華料理の歴史をかみしめる。


溜池という土地がらもあり、
誇るべき伝統と格式もあり、
おそらくお客の年齢層は最高層
(Seventh Heaven)。
値段は恐くて聞けませんでした。
樓外樓飯店
03−3585−1231