日本ばし・やぶ久
新型コロナウィルスの感染拡大防止の観点から
TBSはドラマやバラエティの収録を見合わせ
情報番組でも出演者どうしの距離をあけるなど
いよいよテレビ番組にも影響を及ぼし始めた。
さて、日本橋の老舗のそば屋「やぶ久」である。
おなじみ江戸文化研究会の例会が久々に行われた。
新型コロナウィルスの騒ぎが始まった頃であるが
金曜日の夜ということもあって店は混雑していた。
コレドなどモダンなビルが立ち並ぶ日本橋
その一角に古くからの商店街が残っている。
間口はかなり狭いがそのぶん奥行きがあり
急勾配の階段を上がれば3階まで席がある。
お通し
お箸とお手拭きとそば味噌
そば豆腐
そばの味がする
「せまくても こんでいてても いましばし
まったかいあり ここのそばかな」と箸袋にある。
当地にあったそば屋「やぶ」を初代久次郎が引継ぎ
明治35年に「日本ばしやぶ久」となって今に至る。
江戸のそば屋には老舗で知られる店が多いとは言え
以来、四代百十余年にわたり何も変わることはない。
銀座レンガ通りの銀座店を加えて3店舗を展開する。
そば稲荷
油揚げの中身は
そばである
おつまみ盛り合わせ
だし巻き
板わさ
小海老から揚げ
北海道産の最高級そば粉を使うのは店のこだわり
小麦粉2割にそば粉10割で作られる「外二蕎麦」
小麦粉2割にそば粉8割の「二八蕎麦」に比べて
そば粉の割合が多いぶん香り豊かでのどごしも良い
厚削り1.2㎜のかつお節「本枯節」をふんだんに使い
濃いめでも上質で品のいいつゆが楽しめると言う。
どれも主張しすぎることがないのが最高のつゆだと。
鴨鍋
真っ黒いだしはそばつゆ
鶏肉が一片だけ浮かんで
つくね、しいたけ、まいたけ
えのき、なめこ、ネギ、白菜
鴨は最後に入れる
量が多くてびっくり
鴨肉が肉肉しくてうまい
鶏肉より豚肉に近い食感
下町を中心に「木鉢会」と呼ばれるそば屋の組合がある。
新規参入のそば屋が多くなり味が乱れることを懸念して
各のれんどうしの交流と技術の伝承、向上を目的として
3代目以上の伝統を持つ現役のそば屋だけで結成された。
「木鉢」とはそばを練る直径70センチほどの大きな鉢
この工程でそばの味、こし、風味の8割が決まると言う。
「室町砂場」「神田まつや」「更科堀井」「上野蓮玉庵」
江戸のそばを今に伝えるいずれ劣らぬ名店ばかりである。
うどん
そしてそば屋なのにうどん
鍋のしめは意外にもうどん
これがじゅうぶんコシがあり
だし汁と絶妙にからみ合って
鴨肉や野菜の味が染み込んで
だしもだんだんと甘くなって
せいろ
なんというボリュームか
そばもやはりコシがある
やぶだけど緑色ではない
濃いめのだし汁がうまい
そばアイス
そばの実が入ってる
さっぱりしてうまい