浅草・大多福

とにかく「エリカ様」から目が離せない。
舞台挨拶の不機嫌パフォーマンスに始まり、
自身のホームページでの突然の全面謝罪、
かと思えばテレビで涙のインタビューと。


普通ありえないことが次々に起こり、
「コントロール不能」が浮き彫りに。
本人もまわりも、やることなすこと
騒動全体が未熟で、韓国の芸能界みたい。


さて、浅草のおでんの老舗「大多福」である。
今回は「江戸文化研究会」の秋の会合なのだ。
毎回その会の名にふさわしい店の選択をする。
創業大正4年、セットのような趣のある外観。



入り口は狭いが、中はうなぎの寝床のようで
カウンターと座敷で優に80人入る広い店だ。
写真は入り口近くのカウンター。
この手前に座敷、さらに2階もある。



事前に電話で予約をしようとしたら、
「予約されると、2時間でコースのみです。
当日いらしたほうがよろしいかと思います。
よっぽど急に気温が下がるようなことでもないと
広い店はこの時期、まず満席にはなりませんから。」
と、非常に丁重に予約を取ることを断られた。
暑い日や夏の間はやっぱりおでん屋は暇なのだ。


エシャロットもろきゅう
おでんの前にサッパリしたおつまみを。
サイドメニューが居酒屋並みに充実。



季節の胡麻和え
このタイトルで季節ごとに変わるらしい。



お刺身盛り込み
中トロ、しまあじ、ひらめ、かつお
赤貝、あおやぎ、ほたて・・。
「おでん屋でこのお刺身が?」
と驚くほど、食材のレベルが高い。



今日同席した名古屋の放送局の方は
プロ野球クライマックスシリーズ
それこそ大いに悩まれたクチである。


準キー局として中日ドラゴンズに向き合い、
JNNの全国ネットとのハザマに揺れる。
もともと矛盾をはらんだ構造である上に、
プロ野球の視聴率低迷で、問題はさらに複雑に。


おでん


さていよいよメインディッシュである。
座敷のテーブルにカセットコンロがあり、
おでんを頼むと、そこにまず鍋が来る。
後からネタが来てドボドボと鍋に入れる。



このカセットコンロと四角い鍋が
偶然か作ったものかサイズがピッタリ。
合羽橋で特注しているに違いない。」
などと、一同で妙なところに感心する。



スープは半透明だが、ダシは効いている。
もともと大阪の千日前、法善寺境内から
大正4年に浅草に移って来たとのこと。
そのせいか、いわゆる関東風の濃い味と
関西風の薄味が混ざり合った中間的な印象。


大根と昆布



たまごと海老ばくだん



つみれと焼き豆腐



里芋とキャベツ巻



上品な味わいでとても美味しい。
いい気になってかきこんだら、
アッと言う間に腹一杯になった。


ところで、我々「江戸文化研究会」にとって、
この度の時津風部屋の事件は看過できない。


時津風横綱双葉山も襲名していた大名跡
双葉山相撲道場」の看板に名残りがある。
新たに時津風を継ぐかと言われる枝川親方は、
90年代後半に活躍した元前頭の蒼樹山だとか。
(現役の時津海が引退して継ぐとの説もあり)


など、ややマニアックな相撲談義に花が咲く。
帰宅しておでんのタネをメモした手帳を見たら
「大根」や「つみれ」や「キャベツ巻」の横に
なぜか「蒼樹山」の名前もメモられていた(爆)。


浅草まで来て、このまま帰ってはもったいない。
毎回恒例の江戸文化実地研究で浅草を散策。
六区から伝報院通りを抜け、仲見世から雷門へ。
ちょっとしたおのぼりさん気分だ。



てんぷらの大黒屋や、牛鍋の米久など
次回の店のあたりをつけてぐるり一周。
夜風が気持ちよく、腹ごなしにもなる。


ところで御代は4人で26,600円。
おでん屋にしては確かに高い。でもうまい。
半分は「雰囲気代」でご納得いただけますか。


大多福
03−3871−2521