新橋・炎陣

朝青龍に始まり、エリカ様、そして亀田家。
そう言えば政界では安倍前首相。
カリスマ的人気を誇ったキャラクターが、
一転、世間の集中砲火的な非難をあびる


騒動を総括した18日の東京新聞の記事が面白い。
一瞬の「手のひら返し」ときわどい「付和雷同」。
マスコミがさらにそれを見事に増幅してみせる。
日本人独特のヒステリックな一面に、危機感がつのる。


さて、新橋の炭火ホルモン「炎陣」である。
烏森口近くの線路脇、路地の一番奥にある。
その先は汐留、日本テレビタワーがそびえ立つ。
新橋の古い街と新しい街が混ざり合う一帯だ。



古い民家を改装したような
間口一間半ほどの2階建て。
吹き抜けから1階を見下ろすとこんな感じ。
狭い店だが、ホルモンの鮮度には自信満々。



キャベツの千切り
お通し。ドレッシングをかけて食べる。
ホルモンの合間にちょうどいい。



ホルモン
ご覧のようにテーブルに七輪が来て炭火で焼く。
皿は左から豚カシラ、牛サンドミノ、ウルテ。



牛、豚のさまざまな部位を種類豊富にそろえる。
新鮮なホルモンをこんなふうに七輪で焼いたら、
うまくないはずがない。
残念ながらおすすめのオッパイは品切れ。
というより、仕入れがなかったのだろう。


セロリのナムル
これも名物らしい。
セロリ嫌いの人にもきっと食べられる。



今日ご一緒した大手音楽出版社N音のW辺さんは、
18歳の頃から新橋界隈をうろついていたらしい。
といっても別に札付きの不良だったわけではなく、
氷屋のバイトで、飲食店に氷やおしぼりを配達していたとか。
新橋の細い路地の一本一本までよくご存知なのだ。


センボンスジ
牛の「後足赤身筋肉」とのこと。
普通の赤身だが、すじっぽくてクセがある。



豚キカンナンコツ
コリコリした食感でうまい。
「ノドナンコツ」は品切れだったが、
「キカンナンコツ」は残っていた。
違いはどうだか、知るすべがない。



店員の女性は日本語がおぼつかない。
したがって細かい取材ができなかった。
嘘か本当か知らぬがミャンマー人らしく、
隣席の客は「スー・チーさん」と呼んでいた。


レバーピリ辛炒め
辛いタレとネギと混ぜ合わせて。
レバーとピリ辛は意外に合う。



「汐留ができて新橋も変わりましたよ。」とW辺さん。
客層が上品になったし、街もあかぬけた。
そう言えば明るくなったような気がする。


2軒目は烏森神社の近くにある
シングルモルトバー「MOONSHINE」。
こちらもW辺さんの行きつけだ。
2階は長いカウンター、3階は個室。



駒ケ岳
オーナーの佐野さんに勧められた
ジャパニーズ・シングルモルト



ニッカウヰスキー創始者竹鶴政孝氏が
英国で学んだウィスキーの製法をまとめ、
日本のウィスキーの基礎を作った。
いわゆる「竹鶴リポート」である。


それを手渡された岩井喜一郎氏が作ったのが、
幻の逸品として名高い「マルスウィスキー」。
「駒ケ岳」はそのシングルモルトブランドである。


とにかく由緒正しく、しかも珍しいお酒。
そこまで言われると、確かにうまい(気がする)。
1986年のヴィンテージ。アルコールは60度。
CASK(樽)のナンバーと、ボトルのナンバーが、
ラベルに誇らしげに表示されている。



遅い時間になってカウンターが満卓になった。
確かに新橋はひと頃より人が増えた気がする。
関西では新宿や渋谷より知名度があると言う。
サラリーマンの聖地「新橋」は今日も進化するのだ。


一人4000円、七輪で本格派気分。
炎陣
03−3578−6505


シングルモルト」を店名に冠する店。
MOONSHINE
03−3508−5115