西新宿・ぶる

またまたお騒がせなエリカ様。
代官山の路上で運転中、バイクと接触事故。
女優としての名声を、確立したと思ったら、
主演映画の舞台挨拶で思わぬプッツン騒動。
そしてこの年の瀬になって今度は交通事故。
まさに「当たり年」を締めくくる出来事だ。


さて、西新宿のもつの店「ぶる」である。
食の求道者、おなじみMさんのおすすめ。
「今日のワンカットめは外の看板だよ。」
飲みに行くと言うより、完全にロケ気分だ。


新宿西口、ヨドバシカメラの裏手の繁華街。
狭い範囲に居酒屋や飲み屋が密集している。
「この先の宮崎地鶏の店もなかなかだった。
柚子胡椒で、炭っぽさが消えてうまいんだ。」


「確かに柚子胡椒つけるとなんでもうまい。」
私は、渋谷の鳥重のハツを思い出していた。
・・おっと、
路地を一本間違えると抜け出せなってしまう。
目印は出がけに言っていた小さな看板である。


芝浦直送和牛
産地ではなく、処理場の地名を書いて
「直送」を謳うところに心意気が表れる。



雑居ビルの3階にある小さな店。
アッという間に満員になった後、
ひきもきらない客を、店員が断り続ける。


お通し
肉かと思ったら、
鮪と山芋とオクラの和え物。



タン刺し
みごとな霜降り。
タンの歯ごたえと、脂身のまろやかさが
私のタンの上でバランスよく混ざり合う。
タンを刺しでいただくのはたぶん初めて。



レバ刺し
当店の名物。
よくある薄切りではなく、角切りである。
肉に張りがなければ崩れてしまうはずだ。



そしてこの光沢。この色艶。この容姿。
もはや、食べるためのレバではなく、
「モノ」としての牛の肝臓を愛でるような
フェティッシで倒錯的な感情を覚える。
あぶない、あぶない。



食べてまたびっくり。角切りなので
当然、噛み切るときに厚みを感じる。
これまた初めての感触・・。


レバ刺しはできれば事前予約。
もうひとつの名物と言われる
「上ハツ」は残念ながら今日は入らず。
こちらは当日にならないとわからない。


ハラミ焼き
この焼き色を見よ。
「特上フィレステーキ」でも通るかも。
食べると文字通り肉汁がジュワーッと。
これってほんとにハラミ?



ハツ&ギアラ
ギアラは特に脂がのっている。



シビレ
乳腺とか胸腺とか言われる部位。
独特の食感がある。



隣は5人(うち4人女子)のグループ。
常連らしく、たのみ方も慣れている感じ。
「センマイ刺しうまいよ。柚子胡椒で。」


僕らが敏感に反応したのは言うまでもない。
センマイ刺しにも、やっぱり柚子胡椒か!
見ればセンマイ自体、とてもフレッシュ。
上ハツ同様、次回の課題にしよう。


もつ鍋
塩味でいただく、あっさりしたもつ鍋。
これにはまって毎週来る客もいるらしい。
お隣は前半に一回、しめにもう一回食べていた。



お腹に余裕があれば、最後にうどんを。
稲庭風の細麺なのでツルっと入ってしまう。



立地も外観も、よくある若者向けの居酒屋。
しかし、肉へのこだわりは痛いほど感じる。
それが星の数ほどある他の店と一線を画し、
お客に足を向けさせる原動力になっている。


「芝浦直送和牛」の看板に偽りなし。
3人で約20000円も納得感あり。
さて、しめの一杯は河岸を変えて・・。


マティーニオン・ザ・ロック
「時間をかけてチビチビ飲むならこれがいい。
カクテルグラスだとぬるくなっちゃうでしょ。
ニューヨークの金融関係者は、みんなこれよ。」
とMさん。ホントかいな?



ニューヨーカーが飲んでいるかは別にして、
ホルモンの脂分を洗い流すのにはピッタリ。


似たような店が多いので
とにかく外の看板に注意。
ぶる
03−3349−5400