表参道・朋華

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さて、表参道の中華「朋華」である。
リマックスのTプロデューサー御用達。
渋谷と表参道のちょうど中間くらいの所、
青山通りから少し入った雑居ビルの2階。
もつ焼きの「はがくれ」のすぐそばである。


外観を撮った写真を消してしまった。
とにかく何気ない普通の街の中華屋。
元気で愛想のいい、ママがひとりでやっている。


Tプロデューサーいわく、
「かつては中国大使館で腕を振るったこともある
名うての料理人がいて、夫婦で切り盛りしていた。
ある時、ご主人が急に亡くなってしまったが、
評判の店を閉めることなく、奥さんががんばている。」


「本当ですか?」
「いや、俺のイメージ。」
「何ですかそれ。中国大使館は本当?」
「いや、それも俺のイメージ。」
「全部イメージじゃないですか。」


確かにそんな勝手なイメージを語りたくなるような
飾り気のない、でもちゃんとうまいものを出しそうな
なんとも言えない雰囲気がある。


メニュー
全品写真入り、値段付き。非常に良心的。
おびただしい品数だが、ないものも多い。
なにしろママがひとりでやっているのだ。



辣醤(ラーチャン)
店に入るなりTプロデューサーが
「今日はラーチャンある?」と聞く。
「いまやってるよ。」とママが答える。


どうやら当店の名物らしいのだが、
名前だけでは実体が想像できない。
「辣油」の「辣」に「醤油」の「醤」。
調味料だけで食材の名前がないのだ。



甘辛くかなり濃い味。醤油と油。
落花生と、豚肉、にんじんや大根など
野菜も少々入っていると思われる。
ちびちびなめると酒のつまみにはいい。
私は好きだが、分かれる一品ではある。


猪舌(豚のタン)
これはやわらかく、味もさっぱり。
癖のないうまさである。



腸詰
こちらも一般的な腸詰。
肩書きに「上海家庭料理」とある。
確かにその名を体現するメニュー。



何気なく置いてある取り皿は
よく見るとやけにファンシー。
「家庭的」演出の一環なのか。



もともと同じ職場の人間が5人集まった。
どうしても会社の話になり昼間の延長戦。
テーマは、「わが社の社風論」に及んだ。
わが社の短所は、一致団結がとても苦手。
これはもう全員の見解が一致するところ。


例えば「Akasaka Sakasu」ってどうよ。
「素晴らしい、かっこいい」とほめる人はいない。
「ださい、信じられない、断固反対」の強硬な人。
「わかるけど、もっとこうしたら」と建設的な人。


でも一番多いのは・・
「何がなんでもとにかく反対。」と題材を選ばない人。
もう一つ多いのは・・
「しっくり来ないけど、まぁいいか」と流しちゃう人。
これも昔からわが社の社風と言っていい。
自分勝手と物分りのいい大人が揃っている。


青梗菜
空心菜を頼んだら、
「今日はないよ!」と明るく言われた。
代わりにたのんだ青梗菜がうまかった。



餃子
「餃子サービスするよ!」
と言って出てきた肉厚の餃子。
品数が進むと、店の安定感が増す。




この鍋がなんとすっぽん入り!
「原田」に続き2軒連続である。
そこまで精力つけてどうするの。
野菜たっぷり、さっぱりすっぽん鍋。



雑炊でしめる頃にはサラリーマントークも佳境に。
後輩のYプロデューサーが、
アップル社のスティーブ・ジョブズ
3年位前のスピーチの話を持ち出した。


スタンフォード大学の卒業式に招かれて
15分に及ぶ感動的なスピーチを披露し、
20歳の頃愛読した「全地球カタログ」
の最後の、ある一文で彼は結んでいる。


Stay hungry, stay foolish.
いつまでもハングリーで、いつまでもバカであれ。
世界で一番立派な大人のひとりである、
スティーブ・ジョブズが言うからこそ
この一言が確かに効いてくる。


しかもYプロデューサー、
その後会社に帰ってメールで動画を送ってきた。
自分がスティーブ・ジョブズになったつもりか。
つくづくまじめなサラリーマンぶりに頭が下がる。


その日にできるメニューが限られる。
ママが一人でやっているから仕方ない。
その代わり気軽でとても行きやすい店。


5人で紹興酒1本半。
しめて22000円。
私の中でちょっとした
すっぽんの価格破壊だ。
朋華
03−3486−8813