赤坂・白碗菜根譚

柔道全日本選抜体重別選手権。
これをゴールデンで放送するのだから
北京オリンピックを前に、柔道人気も
まだまだ衰えず、といったところか。


女子48キロ級で谷亮子はまさかの敗北。
しかしこれまでの実績を買われ代表に選出。
一方男子100キロ超級で井上康生が復活V。
しかしこちらは逆に全日本選手権の結果次第。
柔道王国ニッポンの代表選考はやはり難しい。


さて、赤坂の中華「白碗菜根譚」である。
同じく赤坂「白碗竹カイ楼」の別館だ。
「虎萬元」「紅虎餃子房」「胡同四合坊」など
中華、和食、エスニックを多角展開する
かの「際コーポレーション」の経営だ.


古い建物を居ぬきで店舗に利用する手法。
例えば恵比寿の「胡同四合坊」は郵便局。
赤坂の「白碗竹カイ楼」は古い旅館だとか。
菜根譚」も見るからに年代物の二階建て。



1階にテーブルと掘りごたつ。2階はたたみ。
雰囲気のある柱や梁が印象的な和風の建物。
結構な客席数だが、今日はなぜかガラガラだ。
最後まで私たち(3人)ともう1組だけだった。


初カツオの刺身辛味ダレ
柚子ゼリーか辛味ダレの選択。
今回は辛味ダレたっぷりで。


同席した食通のI君いわく、
「カツオは魚の中で最もけものに近い。
いかにしてその臭みを消すかが
カツオの調理法のすべてである。」
なるほど。



小鯛
刺身と蒸し物。
一尾を半々で。


小鯛といってもごらんの立派な鯛。
同席した博識のT君いわく、
「鯛のおかしらつきは縁起物。
写真を撮る時も必ず
正対させなければならない。」
なるほど。



つけダレに気をとられて
美しい刺身が遠くなってしまった。



山菜のてんぷら
タラの芽、
行者ニンニク、
ぜんまいなど
新鮮な山菜の風味を逃がさない。



私の異動にともない同期が集まった。
と言っても今の部署にわずかに残った3人。
入社当時、この部署には10人近く配属された。
若手の多い現場だけに当然の成り行きだが、
気がついたら、3人しか残っていなかった。


いきおい、他の連中はどうしているかという話になる。
ひとりひとり、思い出しながら名前を挙げてゆく。
いろいろな事情で会社を辞めてしまったやつ。
いろいろな事情でいまだに結婚してないやつ。


38人いた同期で、退職した人は6人。
それを確認するのは案外容易だったが、
現在独身の人間が果たして何人いるか。
それは確信を持って答えられなかった。


華白菜豚鍋
鶏葱鍋、野菜鍋、ラムのしゃぶしゃぶ、
四川麻婆鍋など、鍋の多様さを誇る。


今日のおすすめをたずねたら
「すっぽん鍋」だそうだ。
もう旬を過ぎているかと思いきや、
すっぽんの旬は菜の花の頃だとか。


こんな事を言うと嫌味に聞こえるが
この冬は妙にすっぽんに縁があった。
「その次におすすめは?」
と聞くと「華白菜豚鍋」だと言う。


豚のつくね風肉団子。
中に薄切りのバラ肉。
さらに、白菜の葉が
鍋の底で花びらのように広がる。



焼酎は「ひたかくし」という名の麦。
もはや「ひたかくす」ことなどない。
入社24年の赤裸々な付き合いである。
おたがいに、酒にちょっと弱くなった。


建物の前身は芸者の置屋だった。
さすが赤坂という土地柄である。
長くあばら家になっていたものを
お金をかけて補強、改築したとか。


3人でおよそ30,000円。
さすがに今日はすいており、
ほのかに寂寥感が漂っていた。
白碗菜根譚
03−3589−5514