三田・桃の木

小倉優子焼肉店でボヤがあった。
ていうか小倉優子焼肉店を経営?
キャラクターとのギャップはでかい。


店名もズバリ「焼肉小倉優子」。
ボヤのあった西宮市の支店は
5月にオープンした3号店だとか。
タレントの副業がいかにおいしいか。


さて、三田の中華「桃の木」である。
「体にやさしい中華料理」を標榜し
昨年のミシュランで一つ星を獲得。
予約の取りづらい人気店になった。


慶應大学前に程近いマンションの1階。
初めてなのに前に立ったら見覚えがある。
昔ここにあった店に来たことがあるのか。
いろいろ考えているうちに外観を撮り忘れた。



(そんなわけでHPからお借りしました)


初心者におすすめのコースを選んだ。
苦手なものやアレルギー等がないか
予約の時からかなり執拗に聞かれた。
一体何が出てくるのかワクワクする。


前菜三品
いきなり手の込んだメニューが3つ。



手前右 が 穴子の煮付け。
中華なのに和風テイスト。
手前左がきゅうりの北京風漬物。
予想に反してかなりピリッと来る。


奥が大和鶏の上海風よだれ鶏
奈良県産の肉厚な大和鶏。
骨ごと蒸してスライスしたもの。
その調理法を「よだれ鶏」という。
タレは上海風のピリ辛
香辛料とパクチーがたっぷり。


かぼちゃの炒め物
ヒルの塩漬け卵の卵黄で味付け。
上品なスイーツをいただくようだ。



台湾ピータンの甘酢ソース
上に揚げたもの。下はそのまま。



この場所にオープンして3年目。
小林シェフにとって初めての店。
他所にない独創的なメニューで
あっという間に有名店になった。


気になっていたことを尋ねてみた。
「昔ここにあった店なんでしたっけ?」
「菱沼さんです。日本料理の。
今は六本木に移られています。」


三田で有名だった日本料理の菱沼は
六本木に移ってからさらに大人気に。
ミシュランで2つ星を獲得している。
桃の木もいつか2つ星を獲るかも・・。


BIOワイン
これもお店の自慢。
BIO(ビオ=自然派)ワイン。



酸化防止剤などを極力減らした。
有機栽培、自然醸造にこだわる。
多少癖があるとの案内だったが
飲んでみたら全く気にならない。


活きシャコ
清湯(チンタン)スープで
じっくり茹でられたシャコ。
愛知県産の大ぶりな逸品だ。



はさみを使ってカラをむき、
カラシ味噌をつけて食べる。
見た目はややグロテスクだが、
一口食べるともう夢中になる。
カニを食べる時のように無口。


ヒルの舌
これぞ珍品。
歯ごたえ良く、味わい深く。



鷹の爪に比べ辛味はまろやかで
香りが絶妙な湖南省産の唐辛子。
加えて山椒で味付けされている。



こちらがアヒルの舌。
右が舌先。左が喉元。
ふたまたに分かれて
鈎のようになっている。
全体に細い骨がある。


台湾A菜と自家製豚バラ
葉の形や茎の断面が「A」に見える。
「A菜」という名前の由来のひとつ。
豚バラの干し肉を塩味でアッサリと。



黒酢酢豚
野菜のない肉だけの酢豚。
濃厚な黒酢。柔らかい豚肉。
ガチンコ勝負の絶品である。



客層は実に様々で興味深い。
隣のテーブルは男3人連れ。
料理が運ばれるとメモを取りながら
3人でフラッシュをたいて写真撮影。


その向こうはいかにも業界風の人。
目鼻の区別がつかないほど色黒の男。
元女優さんとおぼしきかなりの美人。
見るからにゲイっぽい雰囲気の若い男。


かと思えばカウンターにはひとり客。
担々麺を一杯食べてすぐに帰った。
常連だけに許された桃の木の使い方。


食べることに非常に関心の高い人々。
たまたま来ましたという人はいない。


広東風煮込み焼きそば
エビの卵と黄ニラ。
国産オイスターソースで味付け。



一見シンプルなソース焼きそば
食べるとほのかに魚風味がある。
麺は「広州印麺(イーミン)」。
やや太くコシがあってうまい。


麻花(マーフォア)
ビックリするくらい硬い。
でもその硬さがGOOD。
ゴマをたせばギンビスのアスパラ。



スナックパイン
皮の節目で割けるので
手でそのまま食べられる。
酸味がなく徹底的に甘い。



シャコ、アヒルの舌、酢豚と
珍しいものをたくさん食べた。
人に自慢したくなる店である。


コースはひとり8,500円から。
BIOワインも結構お手軽な値段。
食をしっかり楽しみたいならぜひ。
桃の木
03−5443−1309