赤坂・杏花村

「室温28度では能率が下がる。」
日本建築学会が調査報告をまとめた。


クールビズが浸透するオフィスだが、
28度設定で軽装だけでは能率が落ち、
経済損失につながる可能性もあるとか。
昨日の読売新聞の記事が伝えているが、
調査報告を待たずとも明らかだと思う。


さて、赤坂の台湾料理「杏花村」である。
一ツ木通りから円通寺坂へ続く細い道。
1階が「特丼」で知られる中華「天宝」。
その下が「杏花村」。変わらぬ佇まいだ。



前菜盛り合わせ
彩り鮮やか。
ヘボでもおいしそうに撮れる。
蒸し鶏と腸詰、クラゲとインゲン。
フレッシュな蒸し鶏が特にうまい。



湯葉巻き
ひき肉とタマネギのみじん切り。
湯葉で巻いて揚げてパリパリに。
他は変わっても、
これだけは必ず出る定番。



東坡肉(トンポーロー)
濃厚な豚の角煮。
これは初めてだ。
中にサトイモと栗。



オヤジさんの自信作。
いつもにも増して饒舌。
サトイモも栗もおめでたいね。
台湾ではおめでたい時に食べる。」


35年前からこの店を切り盛りする。
いつも元気だがさすがに少し老けた。
日本語がうまくないのも相変わらず。


野菜巻き
これも初めてだ。
湯葉巻きの代わりにキャベツ。
そして青梗菜。クリームソース。
台湾風のロールキャベツなのか。
きざんだハムのピンクが華やか。



アワビ
「きょうはアワビもあるから。
うんとサービスしてあげるよ。」


見事なアワビの醤油煮。
ひと山全部かと目を疑ったが
中はヒタヒタに漬かったレタス。



野菜あんかけ
緑色はヘチマ。
そしてホタテ。
どこまでもあっさりと。



私は今回3年ぶりの来訪。
他のみんなはもっとだと。


古くからの客が顔を出すと
オヤジさんの顔がほころぶ。 
「みんな久しぶりだからね。
うんとサービスしてあげる。」


「うんとサービスしてあげる」
はオヤジさんの口癖である。


オヤジさんもお母さんも
女の子もみんな台湾人(だと思う)。
これも昔から変わらないポリシー。
気取らず家庭的な雰囲気の秘密は
どうやらその辺にあるのだろう。


焼きそば
これこそが「杏花村」の真骨頂。
細麺の焼きそばには具がない。
ネギと生姜と塩コショウだけ。
それでも癖になるうまさである。



バーベキューで作ったことがある。
単純なので意外にうまく行った。
これなら家でもできるかも・・。


スープ
ニガウリとハマグリ。
見た目も悪いが味も苦い。
でも口の中はすっきりする。
薬膳スープ的な役割である。



「最近お昼もはじめたよ。
会社でみんなに宣伝してよ。
うんとサービスするから。」
どこまでも気さくで屈託がない。


夜はコースのみ。
値段もメニューもオヤジさんと相談。
今日はお祝いの席だったので豪勢に、
飲み物込み6人で50,000円。


オヤジさんを応援するためにも
たまに顔を出そうとあらためて思う。
杏花村
03−3583−5209