池ノ上・ハッチとノラ

プロ野球巨人の原監督が
WBC日本代表監督への
就任要請を受けて快諾した。
迷走劇にようやくピリオド。


さて、池ノ上の「ハッチとノラ」である。
肉好きの友人がたまたま見つけてきた。
池ノ上の商店街を少し歩くと赤提灯が。



居酒屋風の赤提灯に炭火焼とある。
ハッチとノラというモダンな店名。
貼ってあるメニューは肉ばかりだ。


オヤジさんが一人でやっている。
初めてだったらコースがお勧め。
お得だし、それで気に入ったら
いろいろたのんでみればいいと。


牛刺し
これ刺身である。
近江牛のフィレ。
上にかかっているのは
40種類の塩と
干しアワビとホタテの貝柱の燻製。



コースには入っていないけど。
気に入るかどうか食べてみてよ。
オヤジさんは万度こんな調子だ。
お客の舌を試しているかのよう。


牛刺しはもちろんうまい。
気になるのはかかっているもの。
燻製の香ばしさと塩加減が絶妙。


煮込み
モツとテールの煮込み。
スープは透き通っている。
それでも味わいは濃厚だ。



これがうまいと思ったら
他にもおすすめがあるよ。
オヤジさんがまた言ってる。


40種類の塩はひとつひとつ
別の瓶に入り棚に並んでいる。
味付けや調理法の話を延々と。
この人は多分かなりのオタク。


いろいろな塩を混ぜている。
一体何が始まるんだろう。
日本、アメリカ、イラン、
そしてイタリア、フランス。
塩の産地をいちいち説明する。


すべて一口ずつなめさせる。
微妙だがそれぞれ味が違う。
10種類くらい混ぜ合わせ
最後はそれをなめてみてと。


しょっぱいものを予想したら
全体が中和されてマイルドに。
味の素にも似たやわらかい味。
家で使えよとお土産にくれた。


ハツバター焼き
本日のクライマックス。
牛のハツの串バター焼き。
これで長さ10センチほど。
ハツをこの形で見るのも初?



鶏や豚に通じるコリコリ感。
バターの風味もありジューシー。


レバーニンニク焼き
同じ要領のレバーの串焼き。
こちらはたっぷりのニンニク。
肉を食ってる感じを堪能する。



タンハム
これはコースのメニュー。
柚子胡椒で酒の肴に最高。
一品目に出そうなものだが
出したいものばかり多くて
順番がもうメチャクチャだ。



リブロース
調子に乗って勝手に出てくる。
一つ上のコースのメニューだ。


ワインとライムとオレンジで
煮込んだリブロースを割いて
濃いクリームチーズと和える。
横にセロリ菜を添えてサッパリ。
これでうまくないはずはない。



オヤジさんは牛肉の部位ごとに
何を加え何をかけて食べるのか。
おそらくそれだけを考えている。
その研究の成果がメニューになる。


一口ステーキ
くるみとカシューナッツのソース。
何百種類のソースを試して
ここに行き着いたのだろう。
解説が自信にあふれている。



コッテリ濃厚なソースだが
不思議と肉の味が引き立つ。
最後にいただいたこの串が
本日最高との結論に達した。


そこそこの赤ワインを空けて
3人で16000円あまり。
サービスでいろいろ出たぶん
コストパフォーマンスは高い。


小さい店だと思ったので
念のため予約して行った。
ところがこの日は他に客がなく
私たち3人で最後まで貸し切り。


おかげでオヤジさんの話を
とことんまで聞くことが出来た。
池ノ上にひそむ初老の牛肉博士。
ここは居酒屋ではなく研究所だ。
ハッチとノラ
03−3466−0282