人形町・笹新

横綱朝青龍土つかずの勝ち越し。
勢いとともにゆとりも出てきた。
あれだけ叩いていたマスコミも
文句のつけようがなくなってきた。


さて、人形町の居酒屋「笹新」である。
今回も明治座で55号の芝居を見て
二郎さんがまだ元気なことを確認し
駅への帰り道思わず寄ってしまった。



ただでさえ古い甘酒横丁の街並みで
ひときわ目立つ昭和の居酒屋である。
その佇まいがうまい酒を予感させる。


ポテトサラダ
絵に描いたようなポテトサラダ。
カウンターに惣菜の大皿が並び
自信満々にお客の注文を待つ。



大根荒煮
牛すじと大根荒煮で大いに迷った末
あまり見かけない大根荒煮に決める。
何時間煮ればこの色と味になるのか。



狭い地域の中に有名な店が並んでいる。
これほど密度の濃い町も珍しいのでは。
とりわけ「甘酒横丁」一帯はすさまじい。


大正8年創業の喫茶去快生軒。
お茶の森乃園。豆腐の双葉。
そばの東嶋屋。岩井つづら店、
三味線のばち英。軍鶏鍋の玉ひで


志乃多寿司総本店。たい焼きの柳屋。
さらに洋食キラク、芳味亭、小春軒、
来福亭と有名洋食店がしのぎを削る。
その中で居酒屋と言えば笹新なのだ。


刺身盛り合わせ
まぐろ、こはだ、たい、
しめ鯖、かんぱち。
入れたいものを入れられる。



他にいさき、かつお、あいなめ、
金目、こち、いか、むつ、あじ
とにかく魚の種類がいつも豊富。


かわはぎだけは盛り合わせに
入れられないとのことで別注。
そのやり取りの時店の女の子の
対応が冷たいのが唯一気になった。


かわはぎ
美しく透き通る究極の白身
肝とねぎとポン酢でいただく
濃厚な味わい。



店内の様子も昔ながら。
天井も壁もメニューも。
お客も顔ぶれが変わらず
何十年と座っているようで・・。



町に歴史があり
その歴史が説得力を持たせる。
下町の居酒屋の独特のパワー。


甘酒横丁のドン突きが明治座
その手前緑道通りの公園には
関所の門と武蔵坊弁慶銅像
歌舞伎「勧進帳」の再現である。



江戸三座のうち市村座中村座
他に浄瑠璃の小屋もあった芝居街。
人形の制作や修理にたずさわる
人形師が多く人形町と呼ばれた。


江戸のエンターテインメントの
発祥とも言える由緒正しい土地。


ビールは瓶ビールだけ。
酒は酎ハイと澤の鶴だけ。
その頑固さがやがて個性になる。


二合徳利を二人で4本。
程よく酩酊気分になり
7000円で勘弁してもらう。
かたじけない。
笹新
03−3668−2456