富ヶ谷・もも家ふたたび

豚インフルエンザ怖くありません?
WHOも「深刻な事態」として憂慮。
新型のウイルスに変異した可能性。
今日もニュージーランドに飛び火。
よくあるニュースではもはやない。


さて、富ヶ谷の居酒屋「もも家」である。
会社と業界それぞれの大先輩を連れて
去年の2月以来1年ぶりの再訪である。


代々木公園の商店街をNHK方向に歩く。
富ヶ谷の交差点に出る直前のビルの地下。
見逃してしまいそうな小さな看板の店だ。



カウンターとテーブルだけでこじんまり。
他の客も見渡せるような家族的な空間だ。
看板のママが今日も笑顔で迎えてくれる。
久々にホームに戻ったような妙な安心感。


初鰹のお刺身
料理が豊富でとても迷う
まずは季節感を優先して。



白えびのから揚げ
こちらも春らしいメニュー。
抜群の塩加減でビールが進む。



新筍とふきの炊き合わせ
ほどよく上品な味付け。
厨房に腕の確かな板さんがいる。
出てくるものでそれがわかる感じ。



「今日のオススメは何か」と聞くと
「アタシ!」と照れずにママが言う。
一応私より6つ上のママではあるが
それを容認する空気が店の中にある。


店がこの場所に移って25年だという。
私の社歴と全く同じということになる。
さらに6年前から近くで営業している。
わが社の先輩たちがご贔屓にしていた。


話の中に先輩たちがしばしば登場する。
お互いのお手柄も失敗談も知りつくし
まるで同世代の戦友のようで面白い。


焼き餃子
前回積み残した店の名物。
高菜と韮と春雨入り餃子。
ピリ辛のタレをつけて。



辛いものが苦手な先輩がいても
ママは大丈夫と押し切っていた。
確かにタレまできれいに平らげた。
強引な客あしらいには迫力がある。


もも家風厚揚げ焼き
「どのへんがもも家風なの」
とメニューを見ながら聞く。
ピリ辛の味付けかしら。」


辛いもの嫌いを前に臆面もない。
それどころか開き直ったように
「餃子が行けたら絶対大丈夫。」だと。
食べてみたらうまいのでまた許される。



自家製コロッケ
お勧めをあげればきりがない。
これもはずせない人気メニュー。



ミソはミソでなくソースにある。
知る人ぞ知るハチ公ソース。
今でこそ工場は移転してしまったが
昭和21年頃に富ヶ谷で生まれた
地元特産のトンカツソースである。



中濃、ウスター、フルーツの3種。
ママはフルーツを勧めていたが
実はウスターが一番合っていた。
信用できるようで実はできない。


ちょっと辺鄙な場所にあるというのに
逆に来やすいのか昔から業界人が多い。
ライバルのテレビ局同士が鉢合わせして
この店で大喧嘩になったこともあった。


今日も顔見知りが他に2組もいた。
なんとなく話す声も小さくなった。
秘密の商談にはあまり向いていない。


長崎ちゃーめん
つまみでもシメでも行ける。
長崎出身の人も褒めるという。



納豆おじや
実は今回最大の発見。
おじやに納豆ときざみのり。
サッとふりかけかき混ぜる。



サラサラとお茶漬けのようで
コッテリとおじやの風味もあり
体験したことのない不思議な味。


ネット上で触られることがほとんどない。
自分のHPもブログももちろん持たない。
グルメサイトにも取り上げられていない。
検索すると私のブログが1位だったりする。


写真とブログ掲載の許可を求めたら
ママは異様にはしゃいで喜んでいた。
「私はパソコンを一切いじらないので
代わりにせいぜい宣伝してくれ」だと。


良く言えば気取らない雰囲気。
悪く言えばあつかましいおばさん。
微妙なバランスが20年来の魅力。
もも家
03−3465−0963