赤坂・小鉢や

東京を現地調査したIOC評価委員会
今日の記者会見では「一定の評価」と。
趣味や食事の好みまで徹底的に調べた
分かりやすいおもてなし作戦に成果は?


さて、赤坂の和食「小鉢や」である。
路地裏の決して目立たない店がまえ。
人に教えられるまで気づかなかった。



佇まいはよくある「小粋な料理屋」。
それも間違いではないのだろうが。
実は筋金入りのマクロビオティック


「有機野菜料理専門店」
「動物性のダシ不使用」
「おいしいものを少しずつ」
コンセプチュアルなフレーズが
メニューやパンフレットを飾る。


飲む豆乳
手始めに。
湯葉のような
プリンのような。



玄米がゆ
一粒一粒かみしめる。
しっかりと味がある。



シーザーサラダ
かかっているのは
チーズではなく
緑豆のチップと豆腐。



多量のチーズやドレッシングで
普段はレタスの味も感じてない。
その感覚が間違っていることに
あらためて気づかされるメニュー。


女将の柴田有理子さんの丁寧な説明。
女性一人で食事ができる店を目指し
やがてご自身のいろいろな経験から
和のマクロビオティックに行き着いた。


小鉢セット
店の名の由来でもある。
一つ一つ意義深い小鉢たち。



真ん中の鉢には
菜の花、筍、ワカメ、しいたけ。
カツオだしを一切使わないため
素材の味がダイレクトに伝わる。


一つ一つ確かめるようにいただく。
嗅ぐ、なめる、噛むそして味わう。
食べる動作にも重みが感じられる。


右下のオレンジ色は
にんじんのピューレ。
炒めたタマネギが隠し味。
このラインナップの中だと
それだけでも圧倒的に甘い。


その上の黒いのはレンコン。
ゴマで炒め昆布だしで煮つめた
珍しいレンコンのキンピラ。
歯ごたえとともに味わう一品。


反時計回りに
切り干し大根。
ゴボウのキンピラ。
ひじきとタマネギの和え物。


血液をドロドロにするからと
今では白い砂糖さえ使わずに
甜菜糖麦芽糖で甘みを出す。
ほどほどに素材の味と溶け合う。


水を向けると女将が嘆く。
「昔のひじきは甘くなかった。
最近のは甘すぎて良くない。」
「たしかに!」


さらに下に下がって
菜っ葉のゴマ和えと
豆腐とゴマの白和え。


この菜っ葉の苦味がうまいと
次第に感じられるようになる。
初めは薄味に驚くばかりだが
舌の感覚も研ぎ澄まされて来た。


千葉八街か埼玉小川町の農家から
毎日オススメの野菜を取り寄せる。
野菜を交配して新種を作ることも。
先の菜っ葉も初めて聞く名前だった。


最後はコンニャクの味噌田楽。
味噌はふきのとうで出来ている。
どこまでも細かく抜かりない。


ただ健康に気を使うだけでなく
美味しく食べることにこだわる。
それが見事に達成されている。


生まれた時に神様から借りた体。
いろいろなものを食べて飲んで
死ぬ時にきれいにして返したい。
それがベジタリアンの基本らしい。


自分のまわりの動物たちのことを
食物として意識する必要がない。
そのことによる精神的な安定感。
これもまたベジタリアンの発想。


毎日のように動物肉を貪る私でも
タマなら決して悪い気はしない。
小鉢セットは3500円とお得。
女将さんありがとうございました。
小鉢や
03−5575−6221