三軒茶屋・てっぺん

米、メキシコ、カナダに次ぎ世界で4番目。
新型インフルエンザの感染者数である。
「37.5℃以上熱のある人は入れません。」
昨日から会社の玄関にこんな看板が立った。


さて、三軒茶屋の路地裏のバールである。
めずらしくイタリアンが続いている。
しかも今日はいわゆる両手に花状態。
先日の表参道とはえらい違いである。



「シェフズキッチンワインバールてっぺん」
これが店の正式名称である。
「STAUB社ココット料理とビオワインのお店」
という肩書きがつく。
あとでふれるがこの辺が店のこだわり。


カウンター中心のコンパクトな店。
28席あるというが常時満杯だった。
キッチンの中がよく見渡せて開放的。
カウンター越しの会話も楽しげである。


佐助豚の田舎風パテ
ワインとパテの取り合わせ。
最初にこれを考えた人はえらい。



岩手県北部二戸市久慈ファームの豚。
甘くてきめが細かいと評判のブランド豚。


ペペロナータ
ピーマン、ナス、ズッキーニなど
夏野菜を軽めに煮込みトマトソースで。



イタリアンでは普通カポナータと言うが
ピーマン(ペペロニ)が増えると
ペペロナータと呼ぶらしい。
野菜がクタッとなるまで煮ると
フレンチで言うラタトゥイユになる。


「てっぺん」は飲食店のグループ。
新宿、自由が丘、中目黒など各所で
居酒屋やろばた焼き屋を展開する。


グループの総料理長だった舟木さんが
帝国ホテル出身でフレンチ経験豊富な
浜砂シェフを呼んでこの店をオープン。
去年10月スタートした新展開である。


キノコのソテー
写真が暗くてすいません。
見た目は悪いがうまかった。



ロッコリとアンチョビのソテー
ほとんどブロッコリ。
アンチョビは隠れてる。
こうした皿が5〜600円。
出来るだけいろいろ食べたい。



ココットとはもともと洋菓子で使う
小さな耐熱性の陶器製焼き型のこと。
スフレ皿やスフレ型とも呼ばれる。
プリンが入っている白いアレである。


また、直火やオーブンに入れて使用する
厚手の蓋付き両手鍋もココットと呼ばれる。
アメリカではキャセロールと言ったりする。
この鍋を使ったものをココット料理と言う。


ル・クルーゼというフランスのメーカーが有名。
カラフルでハート型など形が様々で女性に人気。
一方同じフランスのSTAUB社の鍋は男性的。
色は真っ黒で形も飾り気がなく実に武骨である。


ふたの裏にピコと呼ばれる丸い突起がたくさんある。
一度蒸発した水分が素材にまんべんなくかかり
じっくりと蒸し焼きにするのに向いている。
このタイプの鍋をピコ・ココットと言うらしい。


鍋の解説が妙に長くなった。
だが「STAUB社」「ココット料理」
そして「ピコ・ココット」などの言葉が
メニューにしっかり織り込まれている。
ある意味店のウリになっているのである。



佐助豚の煮込み
本日のピコ・ココットの煮込み。
トロトロの豚のモツは少しだけ
臭みがあったがそれも雰囲気か。
鍋の取っ手に「STAUB」と
誇らしげに刻み込まれている。



まるごとトマトのHOTサラダ
お野菜のココット料理から。
トマトとチーズが溶け合う。



ムール貝の黒こしょう蒸し
ふたを取る。
湯気が出る。
煮汁が滴る。
ピコ・ココットが威力を発揮する。



ワインは自然派のビオワイン。
のど越しがよくスイスイ飲める。
お兄さんがグラスの空き具合を見て
客の要望も聞きつつ上手にすすめる。
白、赤、ロゼ。3人で3本は飲みすぎか。


先日の表参道は夜景のきれいなオシャレ系。
今日の三軒茶屋はにぎやかに飲むガッツリ系。
男3人と両手に花なら店の選択が逆だったかも。
てっぺん
03−6805−5773