四谷・心山

小向美奈子浅草ロック座に立つ。
半分以上立ち見の300人の客。
中味はスポーツ紙の記事に詳しい。


出演をめぐる所属事務所との折衝
ストリップに興味本位のマスコミ。
この先終演まで予断を許さない展開。


さて、四谷のちゃんこ「心山」である。
魅力的な店が並ぶ荒木町の飲食店街。
角を一つ曲がりビルの2階に上がる。
三尺の狭い入り口に堂々とした暖簾。



カウンターとテーブルで20席ほど。
隣はどうやら同じ会社のOB会風だ。
70歳位の紳士が10人ほど集まった。
親しみやすい女将さんの雰囲気もあり
にぎやかで家庭的なムードがあふれる。


サラダ
中華風のサラダ。
きゅうりの中に
たっぷりのカニとツナ。



刺身盛り合わせ
マグロ、鯛、タコ、ホタテかな。



「お隣は毎年集まるデパートのOB会。
そのたび懐かしい顔ぶれがそろうけど
大概一人くらい亡くなってるのよ・・。」
と小さい声で女将さん。


高嶋部屋の力士だった心山さんが
13年前に店を開いたのが始まり。
抜群の料理センスで次第に評判に。
やがて創作「カレーちゃんこ」が
口コミで広がって大ブレークした。


同じビルの2階の広い場所に移転。
マスコミやスポーツ界にファンを増やし
やがて「カレーちゃんこの心山」の名は
その世界でも揺るぎないものとなった。


手羽のから揚げ
ピリ辛手羽先。
ちゃんこに付き物。



牛たたき
ポン酢おろしでいただく。
ちゃんこを前に品数多し。
どれもうまいので食べてしまう。



人気絶頂の頃心山さんがガンを患い
平成17年に54歳の若さで他界された。
最期のほうは入退院を繰り返しながらも
気丈に店に立ち予約の客をもてなしたという。


店の将来を案じたご主人は女将さんに
秘伝のスープの作り方を伝授したとか。
言われたとおりに作ってもうまく行かず
「お前のスープは濁っている!」と叱られた。


「主人の作るスープはきれいに澄んでいた。
どうしてなのか今になってもわからない。」
当時を思い出し女将さんはしみじみ言う。
その頃のエピソードは
tokyo-dodgers-blogさんの記事に詳しい。


カレーちゃんこ
待ってました。
決してしつこくない。
なぜか鍋によく合う。
そば屋のカレーに近い。



豚バラ、つみれ、あぶら揚げ、
ネギ、キャベツ、しいたけ、
えのき、にら、などなど。


雑炊
カレーとからんでうまい。
もちろんうどんでもうまい。
両方食べる人も結構いるとか。



ご主人が亡くなったあと数ヶ月店は休業。
同じ青森出身の舞の海さんが後継者を探し
白鵬関の付き人だった荒若さんが手を上げた。
以来荒若さんは毎日ちゃんこの猛特訓を続けて
ついにちゃんこ心山はかつての隆盛を取り戻す。


横綱になった白鵬関も心山の大ファン。
店にも満面の笑顔の写真が飾ってある。
ところが近頃のあまりの繁盛ぶりに
横綱の予約を4度も断っているとか。
ちゃんこ心山
03−3359−4338