南千住・大坪屋

総理の指導力が問われた郵政社長問題。
鳩山総務相の辞任であと味悪い幕切れ。
総選挙への影響などもちろんあるが
鳩山氏の偏執ぶりが何より際立った。
と思う・・。


さて、南千住の居酒屋大坪屋である。
居酒屋に詳しいTさんを久々に囲む。
「何を食べても2、300円で
そのわりに味がちゃんとしてる。」
とはTさんの推薦の弁。


恵比寿から南千住までなら19駅
時間にしておよそ40分の長旅だ。
駅前すぐの小塚原処刑場跡の向い。
独特の霊気漂うと言われるあたり。



さすが創業大正12年という店構え。
外も中も簡単に出せぬ味わいがある。
大きなカウンターとテーブルが3卓。
4人だったせいかテーブルに通される。



牛煮込み
250円。
ガツとタマネギ。
スタンダードな一皿。



まぐろぶつ
200円。
ねぎとろ350円。
中とろは550円。
これは店一番の高級品。



しらすおろし
200円。
これは150円でもいい。



ママは元気で身のこなしが軽い。
昔フラメンコのダンサーだった。
スペイン映画の踊り子のようだと
誇張して喩える客もいるらしい。


その代わり店のルールに厳格で
気に入らない客を遠慮なく叱る。
偉そうだと批判されることもある。


例えば食べ終わった皿は
重ねて自分の前に置く。
あいているからと言って
横の席に置くとバキ打ちにあう。


そもそもカウンターの椅子も
入り口側から一席ずつつめて座る。
決して間をあけて座ってはいけない。


客が増えると次第に奥に広がる。
コの字の奥の辺は常連用だとか。
確かに今日もきれいにあいていた。


にら玉
250円。
にらレバなら300円。



ウィンナー炒め
250円。
というより野菜炒め
ほかに野菜炒め250円もある。
どう違うのか興味深い。
昔懐かしい味がする。



酎ハイ
200円。
元祖を謳う25度酎ハイ。
ジョッキに氷と焼酎。
そこに梅をひと振り。
炭酸水は別のボトルで。



ルールに厳しいママの話に戻ると
酎ハイをおかわりする時
「酎ハイ」と言うと叱られる。
「おかわり」と言えばわかる。


レモンはスカスカになるまで絞りきる。
戦後のもののない時代に育ったから
中途半端にレモンを絞ると叱られる。


味と値段で徹底的にサービスする。
その代わり客にもマナーを強いる。
サービスを維持するための自衛策。


客を教育することで店も成長する。
だから叱り方にも愛情があふれる。
別に偉そうにしているわけではない。


目玉焼き
200円。
玉子焼きも200円。
古い居酒屋に行くと
意外とある目玉焼き。
酒にも焼酎にも合う。



オニオンスライス
200円。
かつぶしがけは「かつぶし」
マヨネーズがけは「マヨネーズ」
客はみんなそう言ってたのむ。
はじめ「かつぶし」をつまみに
酒を飲むのかとギョッとした。



魚もあり
肉もあり
おでんもあり
どぜうもあり
野菜も卵もあり・・。


すし屋に毎日行くことはないし
焼き鳥屋に毎日行くのもつらい。
でもこんな居酒屋なら毎日行ける。
お勘定は4人で5,100円也。
大坪屋
03−3801−5207