下北沢・なんばん亭

都議選で自民党が予想通りの惨敗。
第一党を民主党に譲っただけでなく
公明党と合わせての過半数も割った。
都政運営はもちろん国政への影響も必至。


さて、下北沢の「なんばん亭」である。
お好み、もんじゃなど粉モノは珍しい。
鉄板焼」というカテゴリーも久々だ。


小田急線下北沢で降りるのも久々。
駅前の商店街を歩く人はみな若く
自分より年上を見つけるのは至難。
25年前なら毎日歩いていた道だ。


商店街を左に折れすぐのビルの2階。
吉野家餃子の王将が並ぶエリア。
かつてのまま保存されたような路地。
大きな看板で目的地がすぐにわかる。



カウンターはなくテーブルだけ。
椅子と座敷と合わせて7卓ほど。
テーブルにそれぞれ鉄板がある。
ただし自分で焼くわけではない。


エリンギバターソテー
シャキシャキのエリンギ。
ビールに合うバターソテー。



たまねぎステーキ
ソースとカラシマヨネーズ。
たまねぎにここまで合うとは。
あとでもう一皿おかわりした。



とんぺい焼き
関西の鉄板焼きメニュー。
薄い豚バラ肉を溶き卵で
クレープ状に包むように。



豊富な一品メニューは厨房で焼く。
お好み、もんじゃ、焼きそば類は
目の前のテーブルで焼いてくれる。


スタッフは腰にコテを下げている。
さしずめ「お好み焼き職人」である。
カウンターでまとめて焼くなら簡単。
ここではテーブルごとに焼いて回る。


サッと来て焼いて整えて次のテーブルへ。
手際の良さと焼き加減を読む力が必要。
鉄板を熟知した頼れるスタッフなのだ。


ミックス焼き
豚、イカ、タコ、コエビ。
まず生地を焼き
その上に具を乗せる。
さらに生地を乗せて焼く。


具は蒸したような仕上がり。
卵も生地に溶かさず上で焼く。
フワフワの柔らかいお好み焼き。
四角くてフレンチトーストのよう。



ソースはドロっと濃い口。
カラシマヨネーズもたっぷり。
関西風とも広島風とも少し違う。
独特のオリジナルのお好み焼き。


海賊もんじゃ
イカ、タコ、コエビ、ほたて。
ほかにミックス、カレー、中華など
もんじゃだけでも十数種類ある。



ニンニク、チーズ、明太子、ベビースター
さらにトッピングが30数種類。
バリエーションは無限大である。


焼きそば
ネギぼっかけ焼きそば?
牛すじ、コンニャク、
キャベツ、タマネギ。
けっこう食べてます。



若いグループの客がほとんどだ。
でかい声でガンガン盛り上がる。
まるでビールのCMを見るよう。
ふと昔の自分たちを重ねる・・。


「お客さん焼きそばこげてますよ!」
職人に促されてようやく現実に戻る。
25年が経っていることを自覚する。


ホルモン塩焼き
手前はもやし炒め。
ホルモンはキムチで巻いて。
またまたビールの進むメニュー。



サーロインステーキ
悩んだ末最後に追加。
これで1500円は安い?
脂ののった濃厚なサーロイン。
ソースに溶かしバターが合う。



席が狭くて居心地は良くない。
隣の学生のコンパもうるさい。
油の匂いが絶望的に服に着く。
環境で飯を食う客には向かない。


だがそれを乗りこえた人には収穫。
誰にでも受け入れられやすいうまさ。
手際もタイミングも見事な職人技。
何より高いコストパフォーマンス。


若い人の波に押されるように駅に帰る。
昔通い慣れた井の頭線をまた懐かしむ。
下北沢の街に少しだけ元気をもらった。
なんばん亭
03−3419−6938