渋谷・婁熊東京

人類はどこまで早くなれるのか。
9秒58の驚異的な世界新記録
次は200mで夢の18秒台かも。
ボルトの200m決勝は明日深夜。


さて、渋谷のもつ焼き「婁熊東京」である。
これで「るくまとうきょう」と読むらしいのだ。
「婁」は中国語で「居心地のいい場所」の意。
「熊」は店長の「熊井さん」の名前から取った。


木橋から明治通りを渋谷方向にワンブロック。
通り沿いのビルの2階に大きな看板が出ている。
かつてはこの看板がなくわかりにくいと不評だった。



白で統一された清潔で洒落た空間。
内装や照明にも気を使っている。
ちょっとしたカフェにでもいる気分。
もつ焼き屋のイメージとはほど遠い。


キャベツ
すぐ出てくると言うのでたのむ。
野菜はすべて有機野菜を謳う。
つけて食べる辛い味噌がうまい。
これが後々使えることになる。



もつ煮込み
濃厚なスープがクセになる。
もつを食いなお飽き足らず
皿からじかにあおって飲む。
後でまた意外な形で登場する。



れば刺し
生姜もゴマだれもつけない。
ただ塩をひとふりして食べる。
角切りの存在感あるれば刺し。
信じられないサクサクの食感。



七味を少し足してもうまい。
さっきの辛い味噌もうまい。
この味噌は万能で串にも合う。
ビンで売って欲しいアイテム。


「これ豚ですか?」
「材料はほとんど豚です。」
「串だけでしょ?」
「刺しもほとんど豚です。」


「ほとんど」という限定が微妙。
独特の食感は牛ではないと納得。
酒を飲むひまもなくたいらげた。


がつ刺し
このがつも不思議ながつ。
見た目は鳥のささみ風だ。
食べてみるとコリコリして
内臓だったと気づかされる。



白センマイ刺し
センマイの皮をはぎ
黒い部分を洗い落とした
美しい白センマイ。



確かに小ぶりな感じはするが
でも豚にセンマイはないよね?
これだけ牛のセンマイなのか?
自分が何を食わされているか
だんだんと分らなくなってくる。


「婁熊」の「熊」は「熊井さん」の「熊」。
中目黒「まんてん」の阿部さんたちと
い志井系「新宿ホルモン」にいたとか。


「婁熊」と「まんてん」と「新宿ホルモン」
いずれももつ煮込みと白センマイが自慢。
東京のモダン系もつ焼きの一翼を担う。


ぼんじり
今日のおすすめだとか。
ぼんじりって鳥だよね。


豚の尻もぼんじりって言うの?
これだけ鳥と考えるのが自然?
うまいからどちらでもいいか。
手前がぼんじりで奥はかしら。



しろ
タレの中で黒光り。
歯ごたえしっかり。
しろらしいしろだ。



かしらの赤ワイン煮込み
かしらはほほ肉。バケットにのせて。
タンシチューをたのんだら品切れで
メニューにないけどとすすめられた。



他にもブレイン刺しやがつの昆布じめなど
変わった部位や変わった調理法のものが
裏メニューとしてこっそり用意されるらしい。


バナナピーマン
有機野菜の内容も日によって違う。
今日はバナナピーマンとズッキーニ。
レモンと胡椒で肉の合間にサッパリ。



店内は長いカウンターが一つ。
テーブルは4人がけが3つ。
4時間長居したが常に満員。
3人の店員で対応におおわらわ。



客層はあくまでも若くてにぎやか。
おしゃれに安くもつ焼きを楽しむ。
焼きに時間がかかるのも仕方ない。
飲んでしゃべって気長に待っている。


こぶくろ刺し
だいぶ前にたのんだものが来た。
これは典型的な豚のこぶくろだ。
センマイ同様レモン汁で味付け。
辛味噌であえて出すこともある。



しきんとはつもと
しきんは食道。はつもとは動脈。
はつもとはメニューに書いてない。
はらみが品切れで代わりに出て来た。



食道をしきんと言うのは初めて。
しろに似てやわらかくてうまい。
はつもとは普通は牛の動脈だが・・。
さすがに気にならなくなってきた。


てっぽう
てっぽうは直腸。
見たことのない厚み。
うまみと歯ごたえと
適度な脂身が加わる。
本日の串でイチオシ。



辛そば
辛そばなのに辛くはない。
冷麺風のシコシコのそば。
つゆは冒頭のもつ煮込み。


濃厚なスープをまたしても
皿からじかにあおって飲む。
「ハァーッ」とデカイため息。



下町の老舗に昼間並ぶ酒飲み。
そんな「もつ焼き」のイメージを払拭し
うまい食材と確かな技だけを継承する。
東京の新しい食のエンターテインメント。


ワイン2本。もつ焼きをたらふく。
4人で23,000円なら許せる。
婁熊東京
03−3486−1129