五反田・庭つ鶏

非常に強い台風18号が日本に接近中。
その影響か今週一杯ほとんど雨の予報。
東京地方の最高気温も19度に急降下。
このまま秋が深まってゆくのでしょうか。


さて、五反田の鳥料理「庭つ鶏」である。
最近メディアなどによく取り上げられて
めきめき知名度を上げてきた人気店。


日南や鳥茂がある歓楽街とは反対側。
五反田駅西口のオフィス街を抜ける。
ビルの地下の飲食店が集まる一角に
白で統一された真新しい店があった。



L字のカウンターとテーブルが4卓ほど。
早い時間なので先客はひと組だったが
瞬く間にカップルやグループで満杯に。
人気の部位は早い者勝ちになるという。


お通し
お通しに納豆である。
卵黄ときざみネギに
醤油を少したらして。



刺身盛り合わせ
まさにいきなりクライマックス。
さまざまな部位の色と形と光沢。
刺身で出せることを自慢している。
スタミナ苑のホルモンを思い出す。



手前右からむね、ささみ、もも。
つやつやと輝きを放つ刺身の定番。
むねの上の茶色は珍しいむねのづけ。
よく味がしみこんでうまい。


まん中はくび。
その上は砂肝。
その上ははつ。
わさびの下はめぎも。


それぞれの部位を丁寧に切り分け
刺身で出せる精度に仕上げていく。
小さな一粒一粒を大切にいただく。
食感や味わいの違いは明瞭である。


左上はレバ。
舌を巻くみずみずしさ。
口の中で見る見る溶ける。


「お刺身は新鮮なうちにどうぞ」
早く食べなくてはいけない。
そんな強迫観念にとらわれ
会話もなく一気に平らげた。


「庭つ鶏」は「にわとり」の古名。
「庭つ鳥」とつづり万葉の歌に詠む。


「庭つ鳥鶏の垂り尾の乱れ尾の
      長き心も思ほえぬかも」
「物思ふと寐ねず起きたる朝明には
      わびて鳴くなり庭つ鳥さへ」


「にわとり」の原点に帰るとの
看板に強い思いが感じられる。


皮の塩煮込み
サッパリ塩味の煮込み。
弾力のある皮によく合う。



手羽先の蒸し鶏
手づかみで関節を逆に折り
辛いタレに乱暴につっこむ。
骨をしゃぶるようにワイルドに。



店主は調理師免許だけでなく
食鳥処理免許を取得している。
一羽一羽店で捌いて調理する。


生きたにわとりを仕入れるのか?
店の奥で何羽か飼っているのか?
それにしては声も聞こえないが。
そんな疑いを持ちたくなる鮮度。


レバ焼き
外はよく焼き中はレアで。
たたきが庭つ鶏の真骨頂。



ささみ柚子胡椒
柚子胡椒は何にでも合う。
ささみわさびマヨネーズもある。


手羽先のたたき
モッチリとした食感。
ボリュームのある手羽先。



もものたたき
カリカリの皮。
ジューシーな肉。
中にさらにレア部。
三層に分かれた芸術的なもも焼き。



旗の台と蒲田に3店舗をもつ「鳥樹」。
ご主人はここで修行して店を出した。
納豆のお通しや店で鳥を捌くところは
前の店から受けついだ伝統らしい。


小綺麗な内装や清潔感あふれる店内
女性向けに間口を広げる工夫も随所に。
次のメニューもそんな「庭つ鶏」オリジナル。


レバーペースト
さらに飲みたい向きに。
焼酎にもワインにも良し。
酒が進む定番のおつまみ。



そぼろ+生卵ごはん
普段ならごはんは遠慮するが
ここまで来たらもう止まらない。
卵をかけてサラサラと一気に。



他にそぼろごはんと
生卵ごはんもある。


玉子焼き
まるでカステラのような
デザート感覚の玉子焼き。



フルコースを食べて飲んで
3人で18,000円也。
アラカルトでも十分と思われ。
デートにも飲み会にも使える
高コストパフォーマンスの店。


お腹いっぱいになって外に出たら
にわとりの鳴き声が一声聞こえた
・・・ような気がした。
庭つ鶏
03−3492−2818