赤坂・宮わ

日ハム投手コーチの小林繁さんが急死。
いわゆる「空白の一日」で物議を醸した
江川卓投手との交換トレードで話題に。
翌年22勝をあげ最多勝利で男を上げた。


さて、赤坂の和食「馳走 宮わ」である。
辛いもの刺激的なものが嫌いな人がいて
「高くなくても品のいい和食」がテーマ。
それはそれで選択肢が広く店選びに困る。


と思ったら会社のそばに格好の店があった。
一ツ木から円通寺坂通りに入ってすぐ左側。
小さなビルのエレベーターに乗って3階へ。
地下のちゃんこ鍋屋には来たことがあるが。



カウンターとテープルの奥に4人用の座敷。
主人と女将と今日は手伝いの女性がひとり。
まだ新しいので小ぎれいで清潔感あふれる。
意外に良い雰囲気で料理への期待も高まる。


お通し
帆立とえのきのマヨネーズ和え
ふぐの皮の煮こごり
上品な器と盛り付けのセンス
お通しにには店の姿勢が表れる。



本日のおばん菜
メニューに6種類書かれている。
どれも美味しそうでそそられる。
聞けば小さな器に盛られるとか。
この際なので6種全部お願いする。


コンビーフポテトサラダ
シンプルではずさない味。



う巻き玉子
上品で手の込んだ一皿。



ピリ辛こんにゃく
ことのほかビールに合う。



肉豆腐
奇をてらわないうまさ。



里芋とイカ
ホッと落ち着く味わい。



レンコンきんぴら
サクサクと歯に心地よい。



どれも素朴でそれぞれ楽しい。
特別に目立つものはないけど
期待を裏切らないスタンダード。


刺身盛り合わせ
しめ鯖とスズキとあわび
フレッシュなお刺身たち



よりどりみどりの肴を楽しみ
少し高級な居酒屋に来た気分。
ビールもすっかり飲み干して
この後合わせる酒を思案する。


「日本のワインが並んでましたね。」
それもしかすると名案かもしれない。
主人におすすめなどを聞いてみた。
「どれもうまいと思いますけど・・」


甲斐ノワール
ブラック・クイーンとカベルネ・ソービニヨン。
山梨県産で赤ワイン専用のオリジナル品種だ。
深く濃いルビー色に輝き複雑な香りが広がる。
味わいは力強く香りの強い料理とも良く合う。
ワインの進む気の利いたメニューがさらに続く。



新銀杏塩煎り
大粒の銀杏を贅沢に。



カマンベールチーズ味噌漬
これこそワインにピッタリ。



長芋田楽
ホクホクと味わい深く。



くわい素揚げ
さらに酒が進む一品。



主人は黙々とカウンターの中で調理している。
接客はもっぱら女将が担当しているようだが
説明も適切で飾らず嫌味なく好感度が高い。


むやみに仕事を広げず作るものはまじめ。
雰囲気や料理におふたりの人柄が表れる。
初めて会ったのにそれがよくわかるお店。


ソガペールエフィス
信州志賀高原山麓小布施ワイナリー。
自社栽培100%のドメイヌ・ソガに対し
国内の優秀な他種のブドウを混ぜ作られた。
ちなみに「ソガ」は代表の曽我彰彦氏の名前。



国産ワイン専用の欧州種ブドウ使用。
セパージュ・ヨーロピアンと呼ばれる。
ほどよいタンニンとマイルドな旨み。
スムーズに流れたあとの豊かな余韻。
国産ワインと上品和食のマリアージュ


角無牛炭火焼
脂身の全くない見事な赤身。



大山地鶏つくね焼き
温玉を添えてハンバーグのように。



じゃこと京しば漬けのサラダ
海苔に隠れて何も見えない。



氷見うどん
しめはランチでも評判の氷見うどん
富山県氷見市で作られる手延べ式。
麺の細さから「糸うどん」とも言われる。



のど越しがよくコシがあってうまい。
魚介系のサッパリした出し汁が利く。
酒の余韻を飛ばさずきれいにしめる。


近所にいい店を見つけるとうれしい。
すぐに人に教えてあげたくなる興奮と。
一方で人気が出て来づらくなる心配と。
小さなジレンマの中で少しだけ悩んだ。
馳走 宮わ
03−3568−7380