巣鴨・加瀬政2010

朝青龍がいよいよ窮地に追い込まれる。
警察沙汰にまでなった暴行事件の問題。
擁護派と言われた「横審」鶴田委員長も
武蔵川理事長との会談で厳重処分を求めた。


さて、巣鴨の割烹「加瀬政」である。
冬に一度訪れるのが毎年恒例になった。
年が変わるか変わらないかという頃に
日程を相談して予約の電話を入れる。


とげぬき地蔵商店街入り口で待ち合わせ。
ぴったんこカンカン」のロケのように
商店街をそぞろ歩きながら店へと向かう。
初めての人ならワクワクする瞬間である。


地元の小学生が団子をほおばりながら家路を急ぐ。
おばちゃんたちの生活時間に合わせて夜は早い。
午後6時は普段ならシャッターが閉まるころだが
今日は縁日の名残りで何軒か空いている店がある。


入り口近くに名物「塩大福」の店がいくつもある。
それぞれが「元祖」や「本家」などと看板に謳う。
中村美律子のポスターがあつらえたように似合う。
甘さをおさえてねばりのある大福は確かにうまい。



「赤パンツ」で有名な「マルジ」もあいていた。
昭和27年から巣鴨のビジュアルを支えてきた
地蔵通り商店街に4店舗を構える洋品店である。
1号店2号店は婦人服。写真の3号店は紳士服。



4号店はこのほどリニューアルした赤パンツ専門店。
HPに「世界初」と誇らしげに書いてあるが当たり前だ。
それにしてもなぜ「赤パンツ」なのか今ひとつ不明。


高岩寺とげぬき地蔵の本堂が開いているのも初めて。
本尊の地蔵菩薩像(延命地蔵)は秘仏につき非公開。
替りに本尊の姿を刷った小さな御影が掲げられている。
お札を水とともに飲めば病気平癒に効験があるとされる。



こちらは境内にあるのでいつもお参りする「洗い観音」。
治したいところを洗うとご利益があるとされている。
以前はたわしで洗っていたため長年の磨耗が激しく
平成4年に新たに奉納された二代目の聖観音立像だ。



寄り道しながらでも20分ほどで目指す店の前に。
毎年外観を撮影するが去年と何も変わっていない。
「いらっしゃい。一年ぶりだね。」
迎える主人やお店の人たちの顔ぶれも変わらない。



じゃっぱ鍋
「じゃっぱ鍋」は青森に伝わる鱈を使った郷土料理。
他にも料理はあるが冬場の客はこれしか興味がない。
「じゃっぱ」とは青森の方言で雑多なものすべての意。
あら、白身、骨、白子、肝、胃袋などすべて鍋に入れる。



8キロから10キロ級のオスの鱈ばかり使われる。
気候のせいか今年は例年に比べやや小さいと嘆く。
一本釣りで青森から毎日空輸で仕入れているとか。
網で捕った小ぶりな鱈の5倍の値段で取引される。



皿からあふれ出しそうな白子の生命力にやられる。
しゃぶしゃぶのようにサッと5秒くらいであげる。
そっと噛み切るとトロトロが口いっぱいに広がる。
その瞬間のしあわせを一度味わうと病みつきになる。


「暮れにNHKさんから電話がかかってきてね。
明日取材したいって言うから無理だって断った。」
いつものようにオヤジさんの自慢話が始まった。
そんなこと言いながら取材されるのは大好きだ。


「美味しかったです。また今度。」
「夏の桜鍋も食べに来てください。」
毎年と同じ会話で店をあとにしたが
今週もう1回行くことになっている・・。
加瀬政
03−3918−1286