赤坂・Wakiya

米男子ツアーで今田竜二が単独トップ。
今日まで2位に2打差の13アンダー。
2008年AT&Tクラシック以来となる
2年ぶり2回目の優勝を目指し最終日へ。


さて、赤坂の高級中華「Wakiya」である。
とある会食で2年ぶりのご馳走にありついた。
暗くて細くてわかりにくい路地に忽然とある。
同じ赤坂に勤める同僚が迷って15分遅刻した。



前は誰が使っていたのかかなり大きな一軒家。
1階は広いホールと夏場気持ちのいいテラス。
2階に和個室3階に洋個室とバーカウンター。
2階3階はお高いコースメニューがマストに。


前菜
九つのよろこびの前菜。
皿が置かれたとたんに
立て板に水のような説明が。
メモしたのでご披露しよう。



左上・カラスミと白菜   
中上・湯葉の醤油煮込み   
右上・ローストビーフ
   赤い大根
左中・甘く煮たアナゴ   
中中・カニ黒酢ジュレ   
右中・菊の花と春菊の
   乾湯葉包み
左下・タケノコとウルイ  
中下・アワビに赤い万願寺
   唐辛子を添えて
右下・クラゲの頭


万願寺唐辛子は春の京野菜
大きく厚く甘みたっぷり。
クラゲの頭はコリコリと。


真鱈の白子
外はカリカリ中はホワっと。
貝柱で煮込んだ白菜とともに。
スープのしみた白菜がうまい。



赤ワイン
ビールを飲み干しワインを選ぶ。
リストを熟読していた同僚が
シャトーカントメルルを発見。



1855年以来5級の格付けを守る
ボルドーメドック地区の歴史的シャトー。
ヨーロッパの批評誌で軒並み高評価
実際には3級相当とも言われている。


メドックでは珍しくメルロの比率が高く
若い頃から心地よく華やかな果実の風味。
その芳醇な熟成感には人気も定評もある。


ふぐのから揚げ
下関の豊満なとらふぐ。
黒酢ソースがよく合う。



皿はロイヤルコペンハーゲン
模様がより細かいフルレース。
部屋の照明や調度品とともに
豪華さを演出する大事な要素。


薬膳スープ
金華ハムと鶏のだし。
一口飲むと思わず
ハァっとため息をつく。



真鱈の白子とふぐのから揚げ
挑戦的なメニューが続いた後
一度カンマを打つかのようだ。
次に向けて呼吸をととのえる。


脇屋友詞氏は15歳で赤坂山王飯店に入った。
東京ヒルトン、キャピタル東急で修行を続け
38歳でアークヒルズトゥーランドット開店。
確かな技術と清新なアイデアで一躍中華の星に。


トゥーランドットは赤坂と横浜で2店展開。
Wakiyaゲストハウスを池田山に開店。
テレビや雑誌にも引っ張りだこの有名人だ。
個室を回りスープをよそって愛想をふりまく。
思わず一緒に記念撮影をお願いする人もいた。


フカヒレ姿煮
気仙沼産のヨシキリザメ。
半分はそのままいただく。
残り半分はご飯をまぜて。
炭で炊いた小豆入りの飯。



坦々麺
油断して臨むと必ずむせる。
穏やかなラインナップが一変。
目を覚まさせるように辛い。
それでもスープを飲み干した。



デザート
奥は二種類の杏仁豆腐。
柔らかいものとかたいもの。
リモージュの器に重なって。



フレッシュマンゴーのプリンと
杏仁アイスにプーアル茶のゼリー。
得した気分のデザート三種。


料理と皿と調度とサービスと。
そのステージとしての一軒家と。
すべてがひとつの方向を向いて
食べ終わった後にも余韻を残す。


赤坂も池田山もわかりにくい裏通り。
隠れ家のように佇み喧騒を忘れさせる。
ただし今日のコースはお一人様2万円。
会計の時に忘れていた現実に戻される。
Wakiya
03−5574−8861