月島・ほていさん2010

「バラエティ番組に訂正すべき点はない。」
BPOの意見書に対し見解を示すフジテレビ。
先週の「めちゃイケ」の企画とも呼応する動き。
真摯な制作姿勢を笑いで上手に見せていた。


さて、月島の鮟鱇鍋「ほていさん」である。
こちらもこの季節の定番になりつつある。
もんじゃ焼き屋が並ぶ西仲通り商店街。
右を向いても左を向いても同じ景色が続く。


いつもどこで曲がるか迷ってしまうが
正解はもんじゃ焼き屋「おかめ」の角だ。
1号店と2号店の間の細い路地を入る。
砂漠でダイヤモンドを探す心境である。



3階建ての大箱は相変わらず予約で一杯。
5時半、7時半、9時半の三回転でまわす。
7時半を狙ったが満席で仕方なく5時半に。
仕事は早々に切り上げ会社を5時に出発した。


開店直後でまだ客がまばらな珍しい光景。
カウンターに無造作に鍋のふたが積まれる。
2階と3階にほぼ同じ広さの座敷を構える。
6時前にはそれが満卓になるから立派である。



お通し
めかぶとゴマ豆腐
いつ来てもおなじ。
でもこのめかぶクセになる。
おかわりしたくなるうまさ。



お刺身
この盛り付けもいつも同じ。
しゃこが必ず入っている。
量が多くて圧倒されるが
味はまぁまぁというところ。



そもそも月島はもんじゃ焼き発祥の地だと。
その昔子供たちが駄菓子屋の鉄板の上で
メリケン粉を水で溶いたものを薄く焼き
醤油をたらして食べたのが始まりだとか。


焼きながら鉄板に文字を書いていたので
「文字焼き」と呼ばれたのが名前の由来。
昭和30年代に4軒から始まったお店は
今では70軒を越え隆盛を極めている。


鮟鱇鍋
そんなもんじゃ焼き発祥の地で鮟鱇鍋。
あん肝がたっぷりの「ドブ鍋」スタイル。
初めにスープとあん肝を一口ずついただく。
スープにはアッサリめの下味がついている。



白菜、長ネギ、椎茸、豆腐、春菊、春雨。
それにもちろん鮟鱇の身と大量のあん肝。
具に火が通り始めるとあん肝が崩れだす。



女将さんを始め結構な数のスタッフでやっている。
1階だけで20個はある鍋の面倒をみんなで見る。
同時に酒の注文を取り残り時間とペースを気にする。
声が大きくないと客の要望もなかなか通らない。


その様子を指してありがちな批判も受けるらしい。
曰く女将がこわいとかスタッフが愛想がないとか。
わいわいがやがややる店だと割り切ってしまおう。


ある程度火が通ったところでスタッフが来て
残りのあん肝を具の中で完全にほぐしてくれる。
ダシにあん肝が溶け出してスープが完成する。
このスタイルを「ドブ鍋」「ドブ汁」と言うらしい。



出来上がるとどんぶり一杯よそってくれる。
一人でこのどんぶり3〜4杯分はいただける。
客が鍋に勝手に触ると怒られることもある。
最後までスタッフにおまかせがここの流儀。



最後に鍋を厨房に持って帰り雑炊が出てくる。
おそらく最初の薄味のダシで作ったサッパリ味。
味はサッパリだが量は本当にタップリである。
女性だと朝昼抜いても完食はなかなか大変だ。


やがて7時半に向けてあからさまにあおられる。
「次の方が待ってるんでホントお願いします!」
勘定を済ませて荷物をわしづかみに席を立つ。
このあしらいを嫌う声も確かに多いのである。


鮟鱇鍋のコースは5,500円。
2時間のエンターテインメント。
夏場は海鮮焼きを出すと言うが
食べた人の話を聞いた事がない。
ほていさん
03−3531−5200