白金・白金バル

宮崎牛エース種牛に口蹄疫感染の疑い。
わずか6頭のエースも最悪は殺処分に。
黒毛和牛生産システムの根幹が揺らぐ。
日本の高級牛肉はどうなってしまうのか。


さて、白金のスペイン料理白金バルである。
恵比寿からも広尾からもそこそこ遠い立地。
首都高速2号目黒線高架下に隠れるように。
いつも前を通っている名店に初めて入った。



20人はイケる長大なL字のカウンター。
最近隣の店がなくなって拡張したという。
奥に個室もあり高架下とは思えない広さ。
それでも予約なしでは入れない人気店だ。


ハモン・イベリコ・ペジョー
スペインバルの定番。
脂がのりまくってる。



ジョータはドングリのこと。
主にドングリを食べて育った
イベリコ豚の中でも高級品種。


一杯目はスッキリしたカヴァ。
スペイン独特の発泡酒である。
シャンパンより軽口で飲みやすい。


カルパッチョ
定番はからすみと真鯛だが
今日はアカミズがうまいと。
ハタ科の高級魚キジハタの別名。
薄切りで抜群のコシと歯ごたえ。



白ワイン
一本目はファン・デ・オロ。
濃いシャルドネの味わいと
柑橘系のさわやかな香り。
コストパフォーマンス高し。



「寅」は新鮮食材の炭火焼き。
「酉玉」は部位豊富な焼き鳥。
「すゞき」は地元御用達のとんかつ。
マル金」はおなじみ博多ラーメン。


何の変哲もないむしろ不便な場所。
白金の首都高速2号線の高架下は
今やちょっとしたグルメストリートだ。
ひねりの効いた専門店が並んでいる。


しらうおのフリット
こちらも定番のメニュー。
にんにくオリーブ炒めも。



ほたるいか
こちらをニンニクオリーブ炒めで。
旬の食材も調理法ですっかり変わる。



ムール貝
白ワイン蒸しがメジャーだが
今夜はあえて香草バター焼き。
ジェノベーゼ風の緑のたれを
パンにたっぷりつけて後を引く。



赤ワイン
ボガデス・マウロ・デ・サン・ロマン。
黒みがかった深いチェリーの色。
やわらかくあたたかみのある味と
深くエキゾチックな香りが広がる。



一本目はリーズナブルな白だったが
こちらはそれなりにいいお値段の赤。
楽天のネット通販で8千円をつけていた。


スペインのワイン生産の歴史は古く
世界第3位の生産量をほこっている。
シェリーとカヴァに長年支えられていたが
最近良質な赤ワインが注目され始めた。


フラメンカエッグ
半熟卵と挽肉とトマトの煮込み。
よく混ぜてまたしてもパンにあう。



津軽鶏もも肉
辛口マリネ焼きはけっこう辛い。
「ピンチョ」と呼ばれるおつまみや
「タパス」と呼ばれるアペタイザー。
とにかく品数が豊富なのである。



シェリ
3本目でとどめのシェリー酒に突入。
バルデスピノ・オロロソ・ソレラ。



一般的にシェリーはその熟成法により
「フィノ」と「オロロソ」に二分される。
「オロロソ」は長期熟成型のフルボディ。
どっしりと深い味わいが楽しめるとか。


「ソレラ」とは年度の異なる酒を混ぜて
毎年均一のシェリーを作るシステム。
シェリーにヴィンテージがないのは
この「ソレラ・システム」によるものだ。


極甘口のピドロヒメネスを少量混ぜ
食後酒にピッタリな甘口のシェリー。
手前のグラスは「ラ・ヒターナ」。
ジプシー女を意味する人気のシェリー。
いかにもスペイン料理店らしい絵柄。


東京のスペイン料理のスタンダード。
素材もいいが味付けが真っ当である。
おまけにスペインワインの勉強になる。
店長に勧められるままではあるが・・。


「自分から銘柄を言ったことはないわ。」
同行したYさんもそう白状していた。
「私の顔を見れば飲みたいワインがわかるの。」
どうやらYさんは店長にゾッコンなのだ。


飲んでいるのか飲まされているのか。
3人で白赤シェリー1本ずつである。
お代の29000円はほとんどワイン。
国際色豊かに今日も白金の夜はふける。
白金バル
03−5423−3236