六本木・star anis

サッカー日本代表が決勝トーナメントに進出。
高視聴率が期待される生中継の権利はTBS。
テレ朝、日テレ、フジに次ぐ4番クジを引いて
責任を問われた編成部長がいきなりヒーローに。


さて、六本木の中華「star anis」である。
ヒルズの高層51階という特殊なロケーションに
会員制の施設「六本木ヒルズクラブ」がある。
めったに入れないヒルズ族のたまり場である。



眺望を意識して円筒形のビルの外周に沿うように
7つのレストランと2つのバーがぐるりと連なる。
ここは宇宙ステーションのレストランゾーンか。
眼下の夜景と未来的なデザインが雰囲気を作る。


前菜盛り合わせ
上品でいかにもセンスが良い。
芝海老の下にはゴーヤとウニ。
クラゲ、チャーシュー、湯葉
手前は牛肉となぜかミミガー



ふかひれスープ
どちらかというとさっぱりと。
ふかひれのエッセンスが香る。



六本木ヒルズにオフィスや住居を構える人
彼らとビジネスやプライベートで交流する人
分野や世代を超えた談論風発の場を目指す。


テレンス・コンラン卿による空間デザインは
適度な保守性に現代的なスピード感を加える。
東京のセレブリティが集う天空の社交場だ。


関連ホテルやゴルフ場でも優待を受けられる。
ちなみに入会金と預託金の合計で176万円
年会費18万9千円でその権利を獲得できる。


うなぎとゴボウの揚げもの
ころもの薄いてんぷら。
サクサクと歯ごたえも良し。
干しエビとザーサイのソース。



黒豚のスモーク
とても柔らかくて食べやすい。
角煮からこってり感をぬいた。
いままで食べたことのない味。



私たち以外は明らかに商談の団体が2組ほど。
お世辞にも繁盛しているという様子ではない。
土日でも昼間だと閑古鳥が鳴く六本木ヒルズ
ショップやレストランも確かに定着していない。


回転扉のあまりにも悲劇的な事故に始まり
世論を巻き込んだ起業家たちの躍進と破綻。
果ては芸能人の麻薬パーティーの巣窟にも。
ヒルズの呪い」と都市伝説はおもしろがる。


そもそも六本木6丁目の六本木ヒルズとは
悪魔の数字「666」を表すものであるとか。
昔は庭園に名を残す毛利家の上屋敷があった。
ここで赤穂浪士10名が切腹した史実もある。


一時代を画した「ヒルズ族」に未来はあるか。
風水や方位占いの権威が注目するのも確かだ。


小龍包
小ぶりな包みが蒸篭にふたつ。
ご飯ものの前のアクセントに。



冷やし坦々麺
結局これが一番うまかった。
庶民的な味が私の口に合う。



グーグルが渋谷セルリアンタワーを引き払い
今年の夏にも六本木ヒルズに移転するらしい。
08年に85%程度に低迷していた入居率も
09年後半から外資を中心に巻き返している。


化学品のBASFに企業ソリューションのSAS
英大手金融バークレイズグループも入居している。
そこにグーグルが加われば新たな目玉となるかも。
J−CASTニュースの記事がその事情に詳しい。


デザート
タピオカココナッツ
キンモクセイのゼリー
杏仁豆腐のアイスクリーム
残ったあぶらっ気を洗い流す。



客の数を明らかに上回っているスタッフ。
もったいなさばかり目立つファシリティ。
入会金で元が取れるのか想像もできない。


開業から8年を経過した六本木ヒルズ
負の歴史を振り返ってばかりいられない。
新しい外資企業の移転が推進力となり
「悪魔の呪い」を解くことができるのか。
star anis
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