西麻布・二戀

なでしこジャパン凱旋帰国。
ニュースやワイドショーが
一日中女子サッカー一色に。
国民栄誉賞も検討に入った。


さて、西麻布の和食「二戀」である。
「戀」は確か「恋」の旧字体だと思うが
ワープロの変換では出てこないので
毎回コピペして原稿作りに苦労する。


交差点から広尾方向最初の信号右折。
知る人ぞ知る名店が多く集まるエリア。
ビルの1階で通りにも面しているのだが
外観があまりにも端正で見つかりにくい。



オープンから1年半のまだ新しい店。
大きなL字のカウンターもピカピカ。
初めは私たち4人で貸し切り状態に。
やがて他の客もそろって満卓になった。


新キャベツのクラムチャウダー
調べてみると意外に多いレシピ。
ひたひたどころか跡形もない。
スープの中に溶け込んでいる。
蛤がほのかに香る上品な一品。



鱧の焼き霜造り雲丹のせ
出ました夏の風物詩。
皮目をさっとあぶり
脂肪や生臭さを取る。
鱧の皮までおいしく。



「二戀」と書いて「にこ」と読ませる。
「いとしいとしといふこころ」だとか。
分解してあらためて「恋」の意味を知る。
「店と客の二つの心を糸で繋ぐ」で「二戀」。


今夜は男4人でなぜかおしゃれな西麻布。
となりは両手に花のうらやましい3人組。
向こうはまだあまり親しくないカップル。
最先端の店なのに客は少しどんくさい。


真子がれいと本マグロ
見た目も美しいお造り。
食べるのがもったいない。



お椀
海老のすり身を甘鯛で包んだ
手の込んだしんじょうのお椀。
中にゆずのつぼみとじゅんさい
しっかりと腹にしみる味わい。



かの森田恭通氏が内装を手掛けた。
巷で人気のインテリアデザイナー
いかにも西麻布にふさわしい空間。
でも中味はコテコテの「浪速割烹」。


店主のルーツは法善寺横丁の「喜川」。
京料理とは一線を画して40有余年。
大阪を拠点に独自の路線を作った店。
メニューの多いアラカルトが持ち味。


人手の問題で今はまだコースのみだが
創意工夫にあふれた10品を展開する。
甘いもの苦いもの濃いもの薄いもの。
「喜川」のコンセプトが受け継がれる。



島根県高津川の天然鮎。
姿のままお椀にすっぽり。
新橋の鮎正と同じ出所。
やはり鮎は高津川なのか。



沢ガニ、えぼ鯛の寿司、茶豆、
すもも、サツマイモ砂糖漬け、
もずくのような海そうめんが
にぎやかにまわりを彩っている。


のどぐろ
濃い味の酒塩焼き。
酒の旨味も加わって
ふんわりしっとりと。



手前は珍しい姫メロン
自家製のらっきょうも。


兵庫但馬牛
小ぶりのステーキ
味ポン酢ソース。
歯ごたえ抜群の肉。
奥のほおずきもいただく。



グリーンピースご飯
米もグリーンピース
ベタベタせず粒立って。
香りも最後まで楽しく
何杯でも行けるシメ飯。



デザート
いちぢくのアイス
上に牛乳の寒天と
ブルーベリーソース。
ふわっとまろやかに。



初めからシャブリをガブガブ飲んで
4人で仕事の話やバカ話など。
品数も量も多いのが浪速割烹。
話が尽きるかメシが尽きるか。


西麻布という東京一しゃれた土地と
浪速割烹というコテコテの大阪和食。
その振れ幅にとまどうのも醍醐味か。
コースは10品で15,000円也。
二戀
03−3498−3330