目黒・いいかげん

石川遼がまさかの最下位タイ発進。
93回全米プロゴルフ選手権初日で。
先週の好成績を引っさげて臨んだが
池ポチャ6回大乱調で苦しいスタート。


さて、目黒のそば屋「いいかげん」である。
気づいたら「そば」というカテゴリーは初。
これだけよくそば屋に行っているのにだ。
記事にするまでもなかったということか。


目黒駅前の雑居ビル「サンフェリスタ目黒」。
地下1階から2階に34軒の飲食店が集まる。
入口の店のネオンや看板はまさにスズナリ。
異空間に吸い込まれるようでワクワクする。



近くに「三幸横丁」と呼ばれる飲み屋街があった。
渋谷のんべえ横丁や新宿思い出横丁のような。
平成6年の再開発で近所のビルに散ったとか。
ここにある店も多くは横丁からの生き残り組だ。



「ホルモン道場闇市倶楽部」がこんな所に。
猥雑な廊下の先に気を使った瀟洒な外観。
居酒屋じゃないと自己主張するかのよう。
セレブや著名人もお忍びで訪れるらしい。



7、8人のカウンターとテーブルがひとつ。
常連ですぐうまる店は予約したほうが無難。
カウンターの中はご主人が一人で切り盛り。
そば屋にしては客の滞在時間が長いと見る。


シーザーサラダ
シーザーサラダにも
揚げたそばをかけて。



とうもろこし
フライパンで炒める間も
香ばしいにおいが気になる。



玉子焼き
ふんわり玉子焼きは
そばの前に欠かせない。



ご主人の神藤さんはおそばの先生だった。
看板には「江戸東京そばの会」とある。
呼ばれれば六本木から軽井沢あたりまで
パーティーに出張してそばを打っていた。


白髪まじりで短く刈り込んだ職人風の頭。
いつも笑顔で目じりに深く刻まれたしわ。
風貌はそばの達人かはたまたそば仙人か。
気負いのないキャラが店の空気感をつくる。


もつ煮込み
「もつ煮込みたべますか?」
注文は途中から質問形式に。
ゆるゆるの雰囲気が心地良い。
透き通った煮込みが妙にうまい。



そばがき
「そばがきは食べますか?」
聞かれれば食べたくなる。
箸で少しずつ切って食べる。
酒のあてとしてちょうど良い。



メニューが小冊子になっている。
しかも同じようなものが3冊ある。



見れば半分は落書き帳のようだ。
盆栽好きのご主人の達者な絵も。



お客さんが描いたご主人の似顔絵。
そば仙人の特徴をよくとらえている。



こちらは「卵を焼く神藤さん」とある。
お店への愛情にあふれた落書き帳。



せいろそば
そしていよいよクライマックス。
そば仙人の打つ究極のおそばは
香り高くコシがあって味わい深く
のど越し滑らかにすべてを洗い流す。



今日は長くなるとの予感は的中した。
カウンター越しにご主人を介して
気がつけば横の客とも話している。
店全体がそば仙人の弟子になった。
 

3人でワイン2本で22,000円ほど。
向かいのホルモンも隣のカラオケも
そろそろ客が引け静かになってきた。
サンフェリスタ目黒の夜は更け行く。
いいかげん
03−3491−7755