箱崎・鯛ふじ

あまちゃん」に糸井重里清水ミチコが登場。
「夜のベストヒットテン」の司会者の役だとか。
明らかに久米さんと黒柳さんのパロディーだ。
遊び心満載の脚本がいよいよ勢いを増す。


さて、日本橋箱崎町の「鯛ふじ」である。
江戸文化研究会4ヶ月ぶりの例会である。
この夏のテーマは天然の「鯛」を食うとか。
江戸っ子は「タイ」でなく「テイ」と言う(嘘)。


水天宮の駅で降りて地上に出ると箱崎
高速道路が要塞のように交差している。


この辺りは倉庫街で客も多くはなかった。
今はオフィスが増えてランチ時には行列も。
昭和42年の創業以来変わらないお店。
民家風の佇まいがビル街で異彩を放つ。



1階のカウンターには先客が3人。
2階に8畳ほどの個室が二つある。
お料理はおまかせのコース1種類。
廊下も襖も畳も年季が入っている。


先付
はも、卯の花ホタルイカ
えびしんじょう、枝豆など。
定番を少しずつ、が楽しい。



お吸い物
ここでスッポンのお吸い物。
意表をつくラインナップだ。



先代の板さんは包丁さばきの達人として
美味しんぼ」に何度も登場しているとか。
「港を選べば鯛の旬は一年中」は名言だ。
ていねいな仕込みで鯛の奥深さを表現する。


お造り
鯛とウニとかんぱちか。
ほのかに漂う鯛の香り。
天然の鯛刺しを食して
香りまで楽しむ醍醐味。



焼き物
焼き物はなぜかのどぐろの塩焼き。
当然鯛が出るとばかり思っていた。
でも美味しいからかまわないのだ。



鯛の皮のおせんべい
メインディッシュ前のつなぎに。
カリカリ香ばしくて美味しいが
正直塩と海苔の味しかしない。



茅場町から川を渡って来ることもできる。
まず霊岸島に渡りさらに箱崎へと渡る。
隅田川日本橋川亀島川とに囲まれた
水辺の街は江戸時代問屋街として栄えた。


霊岸橋のたもとにおでんの屋台があった。
そちら側から来た会員が興奮気味に話す。
繁華街ではもうすっかり見かけなくなった。
下町では誰かが見逃してくれているのか。


煮物
メインディッシュは鯛のかぶと煮だ。
これでもかと見事な大ぶりのかぶと。
骨をバラし身をほじって黙々と食う。
味のしみ込んだゴボウがまたうまい。



お食事
鯛茶漬けか、スッポンの雑炊。
スッポンはここで再登場する。
でもやっぱり鯛茶漬けを選ぶ。
鯛がぜいたくに入って大満足。



水天宮の駅は右ですかそれとも左ですか。
どちらを見ても川なので方向感覚を失う。
一緒に表に出た女将が優しく教えてくれた。
角を曲がるまでずっと立って見送っている。


選択肢のない鯛のコースは一万円ポッキリ。
久しぶりの江戸気分を味わうには文句なし。
川と橋のうんちくもたっぷり語ることができる。
涼しくなったら霊岸橋の屋台に行ってみよう。


鯛ふじ
03−3666−7724