赤坂・ひさ野

半沢直樹最終回の視聴率は42.2%。
瞬間最高視聴率は46.7%だったという。
家政婦のミタ」の40.0%を軽く超えて
「積み木くずし」の45.3%に迫る快挙。


さて、赤坂の和食の店「ひさ野」である。
昨年暮れにオープンしたばかりだという。
広くてきれいだが新しい店にありがちな
とってつけたような雰囲気が少し気になる。



会社の先輩を囲む定期的な飲み会である。
いつもは仕事の話や会社の話でもりあがる。
ただ個室でゆるりと酒を酌み交わしていると
たまにごく私的でディープな話になったりする。


お通し
手前は冷や奴に茗荷味噌である。
奥はアンコウときのこだったらしい。



さばの薫製
脂がよくのってうまい。
燻した香りが鼻に抜ける。



ポテトサラダ
キュウリの歯ごたえが
シャキシャキと心地良い。



なんとなく「アイデア料理の井出」に似ている。
メニューと料理を見ればわかる人にはわかる。
20年やってた総料理長とホールのスタッフが
井出をやめて同じ赤坂にこの店を出したのだ。


「揚げ出し豆腐はやってないの?井出の名物の。」
聞いて良かったのか悪かったのか微妙な空気だ。
「それおっしゃるお客さん、もう5人目ですから。」
井出とひさ野の間に何があったのか私は知らない。


コロッケ
ひとつずつ袋に入っているのも
井出のスタイルとまったく同じだ。



アツアツのコロッケは
こぶりでもガツンとうまい。



野菜の蒸籠蒸し
色とりどりの野菜たちを
明太子ソースでいただく。
和風のバーニャカウダか。



ところで過日ある会社の大先輩が亡くなった。
お通夜と告別式にはお手伝いにうかがった。
新聞やテレビにも出たので察しがつくだろう。
2日間で合わせて1000人の弔問客が見えた。


おかげで色んな人と久しぶりに再会できた。
昔のスタッフやプロダクション、レコード会社。
ただ故人にとっては果たしてどうだったのか。
亡くなった先輩はみんなに会うことは叶わない。


牛肉のたたき
肉の赤身と焼き色と
見事なコントラスト。



ビーフカツ
ガーリックと一緒に
デミグラスソースで
井出で食べなれた味。



間が悪くて私はお見舞いにもうかがえなかった。
入院中でも先輩に会えた人をうらやましく思った。
どうせ会うならやっぱり生きているうちでしょー。
飲み会は後期高齢者みたいな話題で盛り上がる。


後日やはり業界のある先輩の還暦祝いがあった。
派手なことがお嫌いでごく少人数で小ぢんまりと
20年前は毎晩飲み歩いていた面子が集まった。
上下関係もくだらない冗談も20年前と全く同じだ。


カニと白菜春雨塩いため
力強いメニューのあとに
あっさりと優しい味わい。



鮑の塩辛
まだ飲みたりない人の肴に
ぜいたくで華やかな一品。



シュークリーム
カウンターの上に並んでいるのを
帰り際になって見つけてしまった。
食べてみたかったメニューが他にも。
次回への宿題として残しておきたい。


さて・・
亡くなった人を囲む1000人のお葬式と
生きてる人を囲む20人の還暦祝いと。


花に嵐のたとえもあるさ さよならだけが人生だ。
いつ終わるかもわからない命のはかなさを歌い
ひるがえって生きている毎日を大切にしようと誓う。
とりあえず懐かしい友達に明日電話してみようか。


ひさ野
03−6441−2523