中目黒・ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパ

脅迫騒ぎのあった「黒子のバスケ」関連商品。
浦安市セブンイレブンで回収された菓子の
中身のウエハースから微量のニコチンを検出。
致死量の100分の1で人体に影響はないとか。


さて、熟成肉が有名な中目黒のフレンチ
「ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパ」である。
中目黒の駅から東横線の高架に沿って
目黒銀座商店街を祐天寺方面に下る。


商店街は「一番街」から「三番街」まであり
昭和の香り漂う街並みがどこまでも続く。
いい加減道を間違えたかと不安になる頃
その突き当たりに目指す肉の店はあった。



全部で30席ほどの店内は予約で満杯だ。
今夜は男3人でカウンターの端に陣取った。
会社帰り風のグループや女性の2人連れ。
お洒落で品の良い客が多いような気がする。


アミューズ
ジビエのミートソースグラタン
鹿、雉、猪と聞かされなければ
普通のミートソースグラタンだ。



バーニャカウダ
この先のメニューを考えると
どうせ肉ばっかりになるから
野菜を入れた方がいいと店の人。



今日は同期のYさんと久々の肉会なのである。
Yさんは最近クラシック音楽の仕事もしている。
なんでもTBSラジオの古いファイルの中から
クラシックの貴重な音源が続々発見されたとか。


これは会社としても放っておけない事態だ。
そこでクラシックに詳しいYさんが借り出され
発見された音源をひとつひとつ検証した結果
なんと30数枚のCDとして発売されることに。


本日のシャルキュトリーの盛り合わせ
右上から時計回りに
豚のタン、鴨の胸肉
フロマージュテットは
豚の頭の煮こごりで
左奥のアンドゥイエットは
ホルモン入りの腸詰め



真ん中のケークサレに隠れているのは
鹿のブータンノワールテリーヌ仕立て


伊豆天城産黒豚のジャンボン・ド・パリ
千葉県柏市産の幻霜ポークの生ハム
そしてフランスバイヨンヌ産の生ハムが
皿の上に贅沢に敷きつめられている。


見た目も楽しく食べてまた楽しい。
店員さんに何度も何度も質問して
ようやくこの皿の中味を書ききった。


電車を乗り過ごしたYさんが遅れて到着した。
代々木公園まで行って引き返してきたらしい。
発売されるCDのラインナップの話に花が咲く。
クラシックのことを語るYさんはやはり饒舌である。


TBS・ヴィンテージ・クラシックスと題された
1950年代から60年代の貴重な演奏の数々。


ハイフェッツの神業、グリュミオーの初来日
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ日本初演
ウィルヘルム・バックハウスの最後の来日・・・
いずれも歴史的価値の高い演奏である(らしい)。


国産馬肉のタルタルステーキ
アンチョビとトマトピューレ
エシャロットとピクルスと
卵とマスタードのソースで。



ジビエ炭火焼の盛り合わせ
手前から本州鹿のロース
愛媛県産熟成雉のもも肉
おすすめの鹿と猪の希少部位。


鹿のハツは意外なほど食べやすく
猪のレバはクセになるくらい濃厚。
いろいろな肉のそれぞれの味を楽しむ
これまでに体験したことのない感覚。



ラジオの音源はクラシック音楽にとどまらず
浪曲からジャズまでおびただしい数の番組が
未整理のままデータとして残されているとか。
そのうち手伝ってくれよと真顔で言われた。


これ以降はYさんが来てからの追加メニュー。
Yさんは最近酒を飲むと食欲が増すという。
炭火焼でクライマックスを迎えるつもりが
ジビエをめぐる冒険はまだまだ続くことに。


お肉屋さんのモツ煮込み
豚のホルモンと豆のトマトソース煮込み
豚にもハチノスがあるって初めて知った。



パエリア
この後に及んでパエリアである。
愛媛県産雉とフランス産キノコ
お好みでマヨネーズを混ぜると
味がさらに引き締まってうまい。



肉ばかりでそのうち飽きると思ったが
なぜかいつまででも食べていられる。
一皿ずつの量は決して少なくないのに
まわりの女性客も驚くほどよく食べる。


ラジオの倉庫で歴史的音源を発見しちゃって
それがCDにでもなったらさぞ楽しいだろうナ。
まさか名前がクレジットされたりするだろうか。
そんな楽しい夢を見て今夜は肉の海に溺れる。


ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパ
03−3793−9090