参宮橋・フジヤマハウス

紀伊國屋ホールで「朝日のような夕日をつれて」。
ホール開場50年を記念して選りすぐられた演目だ。
2014年版としてすっかり書き変えられた台本だが
通して観るとかえってその普遍性を際だたせていた。


さて、参宮橋のビストロ「フジヤマ」である。
小田急線の「参宮橋」は降りたことがない。
西口から出て踏み切りを越え東側にまわると
代々木公園とオリンピックセンターしかない。


周りを見回しても明るいのはこの一角だけ。
そこにやや唐突な山小屋風の店がまえだ。
やる気があるのかないのかよくわからない。
生ビール中ジョッキ290円の看板が目を惹く。



小さなカウンターと4人がけのテーブル数卓。
店全体が見渡せるザックリしたレイアウト。
個室はなく驚いたことに全席喫煙可だとか。
外からも丸見えなのは気にしないことだ。


餃子
3種類の餃子の中から
さっぱりポン酢を選択。


バーニャカウダ
ソースを追加したら
50円取られてしまった。
マニュアルが徹底している。



きのこホイル焼き
ホイルを開けると
ホワッと湯気が立つ。



小さなポーションでいろいろ食べられて楽しい。
実は外食大手「際コーポレーション」の経営。
となりは系列のラーメンチェーン「万豚記」で
同じビルの1階を半分に分けて営業中なのだ。


BGMにKISSやディープパープルがかかる。
初めサラリーマンがポツポツで寂しかったが
遅くなってから若い客がたくさん入ってきた。
中ジョッキ290円の看板に釣られたのか。


酢もつ
けっこうすっぱい。



ブロッコリーアンチョビ
ガーリックが利いてて
味がよくしみてうまい。



牛スジ赤ワイン煮
パンが欲しくなる。
濃厚な赤ワイン煮。



実はこの3年間で2回店名が変わっている。
食べログの口コミを遡ればメニューもわかる。


最初は「富士山(フジヤマ)ミート」
売りはハンバーグ&ハンバーガー。

3年前に「FUJIYAMA軒」となる。
トンカツ、メンチカツ、エビフライなど
グッと洋食屋っぽいメニューになった。
メンパン(メンチカツパン)がうまそう。

その1年後に「フジヤマハウス」になる。  
カツ関係はなくなってステーキが登場。
なぜか「山小屋ビストロ」という冠がつく。 ←イマココ


同じ「富士山」をモチーフとしながらも
微妙に屋号とメニューを変える事情とは。
なかなかコンセプトが定まらないのかな。
経営陣の葛藤が見えるようでおもしろい。


熟成赤味肉ステーキ220グラム
夜でもライスと味噌汁つき
胡椒と和風おろしがたっぷり
ちょっとかたいけどうまい。
これで1,380円は安いよね。



山小屋ハンバーグ
しめたと思ったらハンバーグの追加
ソースもそうだけどパテも濃い味だ。
酒飲みと労働者の強い味方である。
これなら酒もメシもガシガシ進むぞ。



ほかにトリッパトマト煮とポテトサラダで
4人で食べて飲んで12,254円は立派。
駅の東側には驚くべきことに改札口もなく
帰りは陸橋を渡り一周して西口にもどった。


代々木公園の暗くうっそうとした森を前に
「万豚記」と「フジヤマハウス」だけが建つ。
とにかく人が歩いていないのだからツラい。
名前を変える前に場所を変えたらどうか。


フジヤマハウス
03−3467−1798