荻窪・蔓餃苑

渋谷シネクイントで映画「TOKYO TRIBE」
場所がらかラッパー風の若いお客が多かった。
園子温流おバカな娯楽映画の行き着く先は?
鋭く対立する賛否両論への裁定はご自分で。


さて、パラダイス山元さん経営の餃子店
「会員制高級紳士餃子・蔓餃苑」である。
なにしろ主人の気が向いた時しかあけない
また他のことが忙しくてあけるひまがない。



荻窪駅から徒歩10分の普通のマンションの一室
山元さんの威容のマイカーが目印になっている。
ウニモグと呼ばれるベンツ製の多目的作業車は
かつて車輪とパンタグラフをつけ鉄道を走っていた。



当初はテーブルを3つ並べて営業していたが
忙しくなりすぎたので早々に2つを撤収した。
レコードフィギュア雑貨装飾品に鞄や車など
自分の好きな物で部屋は埋め尽くされている。



じゃこ天
長崎土産だと言って出してくれた
北欧デンマーク帰りだというのに。



うまいうまいといただいていたら
餃子の焼ける音とごま油の香りが・・


ゼナキング餃子
一口目にほのかに漢方薬の苦い味が
あらゆる栄養ドリンクで試してみたが
生薬たっぷりのゼナキングを入れると
いくら食べても次の日にもたれもない。



文右衛門蔵の出汁しょう油、和のソース
自家製海老ラー油、天草通詞島の釜炊き塩
などさまざまな調味料を駆使していただく
創意工夫にあふれた山元さんの餃子の数々。


海鮮ゼナキング餃子
ぷりぷりの海老とアボカド入り
尻尾を持って塩をつけてがぶり。



クオーターパウンダー餃子
イタリア産のホエイ豚がたっぷり
柚子胡椒をつけて肉感を堪能する。



大葉クオーターパウンダー餃子
そこに大葉をまぜてさっぱり
こちらも柚子胡椒でいただく。



盆栽の町大宮のサイダーその名も
「大宮盆栽だー」も常備している。



とある仕事でご一緒して以来20年ぶりの再会
もともとはスバルのデザイナーだったと思うが
当時はマンボと盆栽で世の中に知られ始めた頃
その後20年で山元さんは驚くべき進化を遂げた。


趣味が高じて鉄道マニアやマイレージ修行へ
国際サンタクロース協会の公認サンタクロース
さらに餃子の王様から入浴剤ソムリエにもなる。
何が本業で何が副業かもう本人にもわからない。


おかひじき餃子
手前にあるのが山形産のおかひじき
海老ラーかしょう油でサラダ感覚で。



蛸ツボ餃子
これは果たして餃子なのだろうか
モーリタニア産の蛸の足を丸ごと
思いのほかやわらかくてびっくり。



口直しのミニトマトは北海道の「アイコ」
皮はかたいけど一口噛むとすごく甘い。



ダブルクォーターパウンダー餃子
レッドチェダーとゴーダとモッツァレラ
今日は特別トリプルクオーターパウンダー
スモークタバスコをかけて香ばしく。



調理と給仕の合い間に山元さんもパチリ
うしろにはかつての愛車フィアット600。



好きなテーマになるとトークが一気に加速する。
餃子を焼く手を止めて熱く自説を語り始める。
マイレージは日本に残る最後の身分制度とか
すべて実体験に支えられた含蓄のあるお言葉。


金で買えない修行の道は確かに浪漫がある。
それが山元さんのエネルギーの源なのかも。
今は小山薫堂氏と一緒に天草を盛り上げる
天草エアラインとのコラボ企画も好評展開中。


パラダイス家の野菜餃子
キャベツと白菜がたっぷり
伊豆大島のツバキ油を使用



海老ラーをのせてシラスと一緒に



キーマカレー餃子
豚肉餃子とうずらの卵とカレーの風味
うずらの卵が落ちるので平行移動がコツ。
近所のカレー屋のネパール人も納得だ
豚肉NGなので野菜で作ってあげたという。



モツアン餃子
なぜか万国旗が飾りつけられた餃子たち
と思ったら突然国旗当てクイズになった。
パリパリ餃子とモッツァレラチーズとあんこ
どうしてこの組み合わせを思いつくのか。



好きなものに囲まれて立錐の余地もない
ごみ屋敷ならぬ趣味人のための趣味屋敷。
好きな友だちと好きなものの話をしながら
好きな餃子を焼く山元さんの理想郷である。


風味豊かな自家製海老ラーを今日のお土産に
わが家でボンゴレのパスタにかけて大好評!


蔓餃苑
電話番号 非公開