亀戸・升本

前回からおよそ5ヶ月ぶりの更新である。
その時もここで株価の話をしたと思うが
この間実に3,000円も上がっている。
退職金で運用しているので意外と真剣。


さて、亀戸のあさり鍋「升本」の本店
おなじみ江戸文化研究会の例会である。
ご新規店の開拓をサボっているうちに
江文研のネタが2回重なってしまった。


錦糸町へはたびたび仕事で伺ったが
亀戸の駅で降りたという記憶がない。
広い道を北へまっすぐ歩いて7分ほど。
白壁のお蔵のような新しい建物である。



札に「大根にかけ水わけて福もらい」
店先の手水鉢に瑞々しい亀戸大根。
帰りにみんなでやろうと思っていたら
いつの間にか撤収されてしまった(笑)



隣は「亀戸梅屋敷」と呼ばれる観光施設
地元名産のおみやげを買うこともできる。
升本と梅屋敷が並んで立つたたずまいは
小江戸川越を思わせる風情のある街並み。



亀戸2店と門前仲町店と都内各デパート
お弁当でも知られる創業110年の老舗。
2階建てのこちらの本店は100席を有し
個室や大広間など各種宴会に向いている。


先付
これぞ幻の亀戸大根である。
葉っぱも積極的にいただく。



普通の大根と比べるとかなり小ぶりで
葉の緑と茎の白さが際立ち甘みが強い。
幕末の文久年間にこのあたりで栽培され
大正時代に「亀戸大根」と呼ばれるように。


昭和に入って農地が減り収穫も減ったが
亀戸升本の旗振りで復活に成功したとか。
やがて各地の農家に守られるようになり
「幻の大根」として今に生き続けている。


茶碗蒸し
もちろん大根も入っている。



お造り
マグロとヒラメと
青のり豆乳寄せ。



あさりと大根のお鍋
亀戸大根と相性抜群のあさりを
甘みのある赤味噌でいただく。
春先はまさにあさりの旬の時季で
鍋にも出汁が染みておいしい。



生姜麦菜飯
あさり鍋の汁をクタクタにかけて
特製の「亀辛漬」で味を調整する。
米麹と青唐辛子と有機醤油を熟成
柚子胡椒のような万能の調味料だ。




その昔亀戸は海に浮かぶ大きな島で
形が亀に似ていたことが地名の由来。
その頃は「亀島」と呼ばれていたとか。
陸続きとなって「亀村」から「亀戸」に。


お鍋に麦菜飯でもうシメかと思いきや
コース料理はまだまだ続くのであった。


牛肉とお野菜のステーキ
大根、蓮根、牛蒡、隠元
さつま芋と彩りのピーマン。
大根の食感はややカブに近く
やわらかくて筋っぽくない。



天ぷら
大根、南瓜、ししとう
すべてに大根が入る。



茶そば
ここにも大根の千切り
そばに良く合ってうまい。



デザート
大根のババロアと柿
これは不思議な味だった。



大根とあさりのお鍋ですっかり暖まり
駅までのまっすぐの道は風が心地よい。


「亀戸に来て亀戸大根を食すとは
地産地消を地で行く感じですな。」
など自分の行動に意味づけしてると
ある会員の方がキョロキョロしながら・・


この辺りに「亀戸餃子」があるはず
ぜひお土産に買って帰りたいとか。
それは地産地消とは無縁であろう。
亀戸と言えば「亀戸ホルモン」も有名。


升本
03−3637−1533