門前仲町・山幸

ラグビーの日本代表チームが凱旋帰国。
予選リーグ3勝なのに決勝トーナメントに
進めなかったのは史上初の珍事だとか。
4年後東京大会に向け期待は募るばかり。


さて、門前仲町の割烹「山幸」である。
せっかくなので富岡八幡宮へお参りに。
門前仲町深川不動でなく八幡の門前
寛永4年から続く江戸最大の八幡様だ。



富くじや大相撲発祥の地とも言われる。
伊能忠敬による日本地図作成の偉業は
実は富岡八幡宮が出発点だったそうな
境内に建つ忠敬像は足取りもたくましい。



八幡様とお不動さんを囲むようにして
ギュッとまとまった門前仲町の商店街
小さな店が並ぶ雰囲気のある路地裏に
「鮎の里山幸」という暖簾を発見した。



恒例江戸文化研究会今回のお題は鮎。
「鮎専門」を看板に掲げるお店は多くない
幹事の会員氏が丹念に調べて予約した。
靴を脱いで2階の畳の部屋に落ち着く。


前菜
鮎の甘露煮とうるか。
甘露煮の甘いのとうるかの苦いの
おたがいがおたがいを引き立てる。



刺身
キッとこちらを睨む鮎の顔が良い。
今そこで獲れたかのような新鮮さ。



ご主人は新潟県魚野川近くの出身
魚釣りの趣味が高じて店を始めた。
店内には鮎の魚拓が飾られている
今日の鮎は築地に入った和歌山産。


塩焼き
芯の骨だけ残してしゃぶりつくす
甘みの中に時折苦いのがまたよい。



てんぷら
鮎のてんぷらホクホクでやわらかい
白身魚の仲間と考えれば納得だ。



イワナ、ヤマメ、ニジマス、アユなど
川魚の仲間は姿かたちもよく似ている。
だが漢字で書くと「鮎」と「鱒」となって
だいぶ趣が違うと会員氏からご指摘が。


動きが早いのでアイヌ語の「矢」を示す
「アイ(ay)」が転じて「アユ」というとか。
漢字の「鮎」は神功皇后がアユを釣って
征韓の戦いを占ったことが由来となった。


一方「鱒」の「尊」は「細長い酒壷の形」
とか「かっこよい」という意味だそうだ。
その大きさや繁殖力から「増す」という
名前を持っているのと無縁ではなかろう。


あゆご飯
つみれ汁との組み合わせは素朴
味わいは微妙だがご飯がすすむ。



鮎のフルコースといえば新橋「鮎正」が有名。
ただし天然の鮎づくしは一人前15,000円。
「山幸」ならその3分の1のお値段で楽しめる。
門前仲町の雰囲気代も込みこみでなお安い。


山幸
03−3641−8188