神田・新八ふたたび

東海地方各地で記録的なあたたかさ。
三重県尾鷲市で25.6度の「夏日」に。
東海地方を通過した低気圧に向かって
南から非常に温かい空気が流れ込んだ。


さて、神田の有名居酒屋「新八」である。
JR神田駅から徒歩1分の好い立地。
創業は意外に新しく平成元年らしい。
短い間に名店と呼ばれるようになった。


昭和初期からのような老舗風の門構え。
今日は3階の個室を予約していたので
左隣の入り口から急な階段を上がる。
したがってこの暖簾はくぐっていない。



神亀酒造 
埼玉の神亀酒造をはじめ
日本酒の品揃えは80種。
こちらは神亀の純米辛口
徳利と銘入りのお猪口で。



チェイサーは鯉川酒造の仕込み水。
「月山系軟水です」とサラリと言う。


スタッフにつまみの相談をしたら
本日のおすすめメニューを出して
その場でやおら朱を入れ始めた。
気がついたらほとんどが朱色に・・



お通し
あなご煮と白身魚南蛮漬
と切り干し大根。
手のかかったおつまみを
少しずつ贅沢にいただく。



刺身盛り合わせ
真鯛、さざえ、ホウボウ
鮪、あおりいかの炙り
鰤、戻り鰹。
豪勢な刺し盛り。



お店自慢の今日のお刺身のラインナップ
ホームページにこんな気になる記述が。
「鳴門のカリスマ漁師村公一さんをはじめ
全国各地より選りすぐりの魚介を調達し・・」


村公一さんは鱸や鯛やわかめ漁を専門にして
情熱大陸」でも紹介された鳴門のカリスマ漁師。
その獲物は「村さんの鱸」などと名前で呼ばれ
プロの料理人がこぞって求める貴重食材だとか。


熟成ポテトサラダ
マッシュでなくゴロゴロ系。
ベーコンの香りとともに。



クリームチーズ味噌漬け
塩気と味噌のコクの中で
チーズがとろける絶品。
市販のクリームチーズ
実は意外と簡単にできる。



しめ鯖
あとを引くスモークの薫り
これはクセになるうまさ!



「神田新八」オーナーの佐久間達也氏は創業以来
丸の内と京橋にそれぞれ「酒亭」と「別亭」を設け
本店に長男丈陽氏、酒亭に次男大裕氏を配する。
佐久間流家族経営の形が着々と出来上がっている。


最近も恵比寿ガーデンプレイスに「酒亭さくま」を
また創業昭和二年の老舗割烹「三福」と組んで
同じ神田に「神田新八三福」をオープンするなど
佐久間達也氏なかなか野心的な事業家のようだ。


あなご白焼き
焼き目のカリッと感と
厚い身のふっくら感と。



むかご入り銀杏揚げ
緑色の豆粒はもちろん銀杏。
茶色の豆粒はむかごと言って
山芋の葉の付け根などにできる
小さな芋のようなものらしい。


彩りもよく銀杏とコンビで
まぜご飯に入れたりもする。



のどぐろ塩焼き
能登産ののどぐろは
白身なのに脂がのって
一年中いつでもうまい。
今日は塩焼きでいただく。



「今はのどぐろが一番食べたいです。」
錦織圭の一言が話題になったのは去年。
一口食べると思わず頬が緩んでしまう。
のどぐろには確かに不思議な魅力がある。


魚がうまければなお酒がうまい。
酒がうまければまた魚がうまい。
「新八」は老舗の顔をした野心家。
酒と魚の無限ループにはまってゆく。


神田新八
03−3254−9729