新宿・上海小吃

船場吉兆、廃業してしまいましたね。
その後従業員のアンケートなどから、
ゼリーやアワビ、枝豆など8品目で
使い回しが新たに発覚したそうです。


洋食のパセリやプリンのさくらんぼ、
アイスクリームのウェハースなど
付け合せの物を使いまわすという話は
その昔よく聞いたような気がしますが。
高級料亭のメインディッシュはまずい。


さて、新宿の中華料理「上海小吃」である。
区役所通りから細い道を奥へ入る。
一度では覚えられないくらい奥へ。


ディープ新宿歌舞伎町。
飲食店や風俗店の妖しいネオン。
しつこい呼び込みを振り切って行くと
まさかこんなところにという場所にある。



中華風の装飾と野放しの生活感が混ざり合う
店の愛猫「ミミちゃん」の鳴き声が聞こえる。
間口は狭いが店内は奥行きがあり、
1階と2階に客席、3階に厨房があるらしい。


茎キャベツ
サッパリとした前菜。
一品目におすすめ。



豆腐の細切り
意外にモッチリとしている。
中のパクチーが利いている。
サッと塩をふりそばのように。



クラゲの頭
コリコリのクラゲの頭。
テーブルに置いただけで
黒酢が強いにおいを放った。
たっぷりとつけていただく。



あれもこれもとふやしているうちに
メニューは600種を超えたという。
よくある中国家庭料理のラインナップに加え
鳩、ウサギ、カエルなど珍しい食材も揃える。


スペアリブの甘酢煮
骨付き肉をやはり黒酢で煮込む。
いわゆる酢豚だが、したがって黒い。
丹念に煮込まれたおすすめの一品。



しじみの醤油漬け
醤油の味がしっかりしみこむ。
ビールや紹興酒によく合う珍味。



とうみょう炒め
えんどう豆の若芽を炒めたもの。
季節が限られ、数も少ないため
中国では贅沢な食材とされる。
ほうれん草に似た食感。
塩加減もちょうど良い。



お店を切り盛りするのは女性店長だ。
本名の「朱玲」から一字を取って
常連さんからは玲子さんと呼ばれる。



(お写真はHPから拝借しました)


1992年に上海から日本に来た。
ラーメン屋のアルバイトや
クラブのホステスなどを経て
10年前からこの店の店長を務める。


お客の注文を3階に通すたびに
とんでもない大声を張り上げる。
明るいキャラクターと甲高い声。
ちょっと変な日本語は実に愛嬌がある。


お店には、若い人を応援するために
いくつかの変わったサービスがある。


○35歳以下、3人以上お酒持込み無料。
○新入生、新婚さんなど「新」にまつわれば
 紹興酒またはワイン(小)1本サービス。
○スポーツ、学業、営業などなんでも
 ナンバーワンになった人ワイン1本サービス。


揚げパン
しじみや酢豚など
汁をつけていただく。



四川辛子鶏
これも骨付きの鶏から揚げ
から揚げの中に唐辛子があるのでなく、
唐辛子の中にから揚げがある感じ。



小龍包
手作り小龍包。
口の中に汁が広がる。



食の安全がさけばれる昨今、
これだけ雑然としている店だと
「大丈夫?」と疑いたくもなる。
潔癖な人は近寄りがたいだろう。


確かに店はボロボロだが、
しっかりと手をかけた品々と
玲子さんのあったかい人柄で
ここなら大丈夫と思えてくる。


営業時間は午後6時から朝5時まで。
ディープ新宿に合わせた時間である。
紹興酒1本、5人で1万円台後半。
話のタネに是非。
上海小吃
03−3232−5909