大井町・ほんま

「婚姻届にサインして!」
卓球の五輪代表福原愛ちゃん
関東学生リーグに出場した際
怪しい男に追いかけ回される。


試合後のインタビューでは
「婚姻届を初めて見ました。
怖かった。」と振り返った。


さて、大井町の居酒屋「ほんま」である。
ハラミを愛する美術部長のおすすめの店。
線路沿いに連なる魅力的な繁華街を抜け
暗い道を少し不安になるくらい歩くと、
闇の向こうに忽然と赤い看板が現れる。



ご主人は五反田の日南で修行したらしい。
日南からほんまに受け継がれる伝統芸を
偶然にも2週に亘り味わうことになった。


黒ホッピー
黒ホッピーに金宮焼酎。
枝豆を合わせて。
肉を迎える準備が整う。



ニンニクの芽
隣の若い客に出していた。
「ニンニクの芽食べる?」
ホルモンと鶏肉と
一緒に炒めたもの。
ご飯のおかずにもなる。



レバ刺し
日によってあったりなかったり。
用意周到な美術部長は予約の際
あらかじめたのんでおいたとか。



ただし自分はレバ好きではない。
そんな美術部長もうまいと言う。
くさみのない上質のレバ刺し。


ハラミ串
日南で修行したハラミが
ほんまで完成された姿だ。



一口ほおばると笑みがこぼれる。
さらに肉厚で溢れるような旨味。
レアのステーキを食べる気分だ。
ひとり一本限定も日南に倣った。


仕入先の港南口のと畜場の人も
客としてくることが多いらしい。
「この値段で良く出せるね。」と
いつもいたく感心されるという。
同業者の評価が高いことが自慢。


吉田類の「酒場放浪記」に登場。
主人のダジャレが炸裂している。
DVDにも入っているので是非。


ハラミあぶりたたき
これも予約の時にたのんだ特別製。
盛り付けにも気合が感じられる。



霜降りの見事なハラミ。
素材の厳選と焼きの研究。
串焼きの一種だったハラミを
メインディッシュに仕立てた。



お新香盛り
さすがに脂身がこたえる。
サッパリしたくなったら。



隣の若い客が鍋風のものを食べている。
なんだろうと主人に聞いたところ、
「上等なステーキ肉の切り落とし。
すき焼きにして食べるとうまいよ。」


反対側の隣は幼稚園児くらいの子連れ。
なんとスパゲッティーを食べている。
若くて美人のキミちゃんがパスタ担当。
隔週日曜にはここでパスタランチを出す。


雑然とした厨房の中からふたりで
想像を超えたメニューを繰り出す。
そこが実験工房のように見えてくる。



ハラミカレー
隣の客は良く肉食う客で。
すき焼きの後にカレーだ。
うらやましそうに見ていたら
「カレー食べる?」と主人。
断るわけがない。



刻んだハラミがトロトロに溶け込む。
またも日南のナンコツカレーに挑む。
メニュー開発の動機はどうやらそこに。


ハラミだけで腹いっぱい。
ビールと金宮焼酎1本。
3人で17,000円。
主人の気合を思えば安い。


日南とほんま
ハラミを巡る切磋琢磨は
まだ始まったばかりである。
ほんま
03−3471−8288