白金・久々のロウホイトイ

 
「納得がいかなかった」と指原莉乃がコメント。
NGT暴行事件をめぐる第三者委員会調査報告に。
会見の最中に当事者が反論をツイートするなど
ネットも激しく炎上し事態は混迷を極めている。
 
さて、白金の中華の名店「ロウホイトイ」である。
恵比寿会の久々の例会で今回は少し足を延ばした。
実は「ロウホイトイ」と聞けば泣く子も黙る名店
紆余曲折の末復活を果たした店に初めてお邪魔した。
 

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まずおよそ中華料理店に見えない不思議な外観に
店内は10人がけくらいの大きなテーブルがひとつ
黒Tシャツの中年男が厨房も給仕も一人で仕切る
トーク担当というマダムはその割に謎めいている。
 
おみ足がご不自由らしく帳場のような席に鎮座し
「歩けないので喋ります。サービス料は取りません」
「私の前はパワースポットだから一番いい席なのよ」
などと言っては大声で笑い初めての客を幻惑する。
 
お通し
ピータンどうふは粗く砕かれた豆腐に
ピータンのペーストをドロッとかけて
かつて「ロウホイトイ」に通った人なら
懐かしくて涙が出るような名物メニュー
 

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二品めは里芋とネギをスープで伸ばし
お醤油で漬けたさっぱりとした一皿
 

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三品めはエビをサッと揚げて
ピーマンやエンドウ豆と一緒に
ハチミツと胡椒であえた甘い一皿
 

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古い自動ドアは犬が通っても開いちゃうので
普段は電源を切って手動で開け閉めしている。
なにしろ昭和2年にできた築90年の建物で
今どき隣の酒屋と長屋のようにつながっている。
 
テーブルと椅子以外装飾のようなものがない
ホールにワインセラーはあるが冷蔵庫はない
ビールやソフトドリンクは隣から持って来る
「隣がうちの冷蔵庫なのよ」とマダムが笑う。
 
チャーシュー
よく焼いて味が染みて歯ごたえも堪らない
昔の「ロウホイトイ」も焼物が絶品だった
 

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お野菜の高菜炒め
舞茸マコモダケしいたけアスパラ
少しの高菜で味がしまってうまい
 

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ここでこれまでの流れをおさらいしておこう。
もともとは上海料理の「ロンフウフォン」が
予約の取れない幻の名店として勇名を馳せる。
姉妹店の香港料理「ロウホイトイ」も評判に。
 
やがてシェフが体調をくずしたりなどあって
伝説の「ロンフウフォン」が閉店してしまう。
柳沼シェフは後に赤坂「うずまき」に招かれ
ミシュラン一つ星の知る人ぞ知る店に育てる。
 
麻婆豆腐
辛いけどとても柔らかい辛さ
 

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黒酢酢豚
てりってりっの豚肉だけで余計なものなし
こちらも「ロウホイトイ」からの名物だ
 

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一方「ロウホイトイ」も震災後シェフが帰国
しばらく斜め向かいでテイクアウト専門の店
「ロウホイトイ売店」として人気を博していた。
その「ロウホイトイ」が3年前に突然復活した。
 
新店のシェフはなんと経営者だった森田賢一さん。
実は「東京會舘」で洋食の厨房にいた経験もあり
「うずまき」の柳沼シェフにも手ほどきを受けて
自らの手で名店を復活させることに成功したのだ。
 
焼きそば
具材はもやしとしめじだけ
醤油と胡椒と生姜とゴマで
シンプルな細麺の焼きそばも
ファン垂涎の「ロウホイトイ」風
 

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デザート
金柑のお汁粉
お餅じゃなくて金柑
 

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7、8人で大きなテーブルを貸し切りにできるけど
知らぬ者同士でテーブルを囲むのもまた楽しいかも
マダムと森田さんの醸し出す独特の空気感があって
帰るころにはきっとみんな仲良しになっているはず
 
8品のコース一人前3,288円という驚異のコスパ
ほかに点心や焼物各種などアラカルトも豊富にそろう。
オーナーから転じた森田さんが確実に腕を上げている
マダムの高笑いをまた聞きに行きたくなる不思議な店。
 
 
ロウホイトイ
03-5420-3288