恵比寿・魚豆根菜やまもと


「仮病疑惑」で厳しい処分を受けた横綱朝青龍
精神的動揺が激しく、会見などの対応も不可能。
処分発表前も、夜中に急に泣き出したり、
泣き止んだかと思えば急に怒り出したり、
精神的にかなり不安定な状態であったらしい。


現在も自宅にこもって精神安定剤を服用し、
親方も本格的に神経科の受診を勧めているとか。
八百長疑惑」に「仮病疑惑」、挙句の出場停止。
若貴以降」の大相撲を一人で支えてきた大横綱
運命やいかに!


さて、恵比寿の「魚豆根菜やまもと」である。
店名のとおり魚と豆と野菜を中心に、
健康的で彩り鮮やか、しかもうまい料理を出すという。



4人がけのテーブルと12人がけのカウンター。
飾り気がなくどちらかと言うと無愛想。
ストイックな店のメニューを体現するかのようだ。



モロヘイヤの冷たいスープ


お猪口大の器に花びらとともに。
ひとくちでグッとあおる。
真夏日に渇いたのどをスッと潤す。



ヱビス・ザ・ホップ


目にも鮮やかなグリーンのラベル。
ヱビスビールの濃い味わいはないが、
確かにさわやかで口当たりがいい。



芋焼酎「眞酒」


九州の人は決まって
芋焼酎はお湯割り」と言うらしい。
気持ちはわかるけどこんな暑い日は
「やっぱりロックで」と言ってしまう。



先附け


店主が丁寧に説明をしてくれる。
とても覚えきれず、思わずメモを取り出す。


写真手前が水ナス、ちびキュウ(小さいキュウリ)
金糸ウリのゼリー寄せ。手前は味噌で。
奥は右から花豆、バジル、真イワシ
丸オクラ(断面が丸い)、バナナピーマン。奥は塩で。



店主は当たり前のようにスラスラ話すが、
聞いたことのない野菜のオンパレードだ。
金糸ウリ?丸オクラ?バナナピーマン?
世の中には知らないことがいっぱいだ。


食べ方にも工夫があり、店主の言うとおり、
イワシにバジルを乗せて口に運ぶ。
渋味と苦味が口の中でいい感じに混濁する。


今日の席にはもう一人ブロガーがいて、
写真を撮ったり、説明を聞いてメモしたり
とにかく食べ始めるまでに時間がかかる。


見ればカウンターに座る別客の中にも
デジカメで料理を撮る女性たちがいた。
最近よく見かけるようになった光景である。


お刺身


いぶったカツオ、〆サバ、タコ。
カツオの横に赤く見える柚子胡椒。かなり辛い。
いぶりカツオの香ばしさがたまらない。



イワシのしんじょう


白ウリ、シイタケ、ビーツ、金針菜(きんしんさい)。
またしても知らない野菜。メモをとる手が忙しい。
一つ一つ細かい仕事。あくまでも素材を大事に、
そしてうまく生かそうという心意気が伝わる。



店主の山本さんは早稲田の名店「松下」で修行した。
確かに、以前番組の取材で「松下」へうかがった時、
狭いカウンターの中に、若い衆があふれていた。


伝統的技法と、独創的センスをあわせもつ松下さんの店は
修行希望の若い人が、後を絶たないと聞いたことがある。
そのとき取材したのも、藁でいぶったカツオのタタキだった。


そんな店で基礎を学び、野菜に目覚めてこの店を持った。
店主の山本さんはまだ30そこそこの若い料理人である。
お父様は松本清張賞なども受賞した作家の山本音也さん。
代表作が店に並べられ、購入できるようになっている。


カサゴ


伊豆で獲れた近海もの。ポン酢を少しつけて。
蒸した白身が口の中でホクホクとほぐれる。
イカツい顔からは想像もつかない柔らかい味。



添えられたういきょうの花を噛むとミントの風味。
今度は口の中に風がぬける様で、魚のくさみを消す。
店主の思うがまま、術中にはまっている感じがする。


酒肴三品


ラッキョウ酢味噌添え、大根の酢醤油漬け、
カツオの佃煮。佃煮と言っても軽めの燻製か。
中盤でペースを変え、酒を進ませるメニュー。
心憎い配置である。



野菜鍋


メイン料理と思われる鍋は、そうとしか呼べない。
トマト、インゲン、レッドチコリ、シチリアナス、
黄色いズッキーニ、ニガウリ、カボチャ、青大豆、
麦、車麩と泡麩。



毎日見る野菜と、初めて見る野菜。
赤い野菜、青い野菜、黄色い野菜。
甘い野菜、苦い野菜、辛い野菜。
鍋の中は小さな野菜の宇宙のよう。


玄米のお茶漬け


トマト、トウモロコシ、湯葉、海苔。
鍋からお茶漬けで体がグッと温まる。
焼酎をもう一杯おかわりしてしまう。



デザート


モモとソルダムのゼリーに和三盆の黒蜜ミントのせ。
ソルダム」はニホンスモモと呼ばれるスモモ。
「和三盆」は和菓子などに使われる高級な砂糖。
鍋と焼酎で満たされた口に、冷たさと甘さが心地よい。
さて、今日は一体何品目の食材を口にしたのだろう・・。



人様のブログを読むと、魚と豆と野菜で構成された料理は
「食べて身体が喜ぶ」とか「食べて身体がきれいになる」
といった表現が目立つ。


美味しくて健康的なメニューを食し、それを実感する。
ダイエット中など体調を気にされている方にピッタリ。
S君は帰宅後さらにビリーズブートキャンプだ。


コース6500円。
いい仕事見せていただきました。
魚豆根菜やまもと
03−3280−6630