広尾・玉木

石川遼が1打足らずで無念の予選落ち。
それほど悪いゴルフではなかったのに。
ウッズやウェストウッドと底力の差か。
ところで今田竜二は今回出てないのね。


さて、広尾のフレンチ「玉木」である。
高樹町から駒沢通りで広尾高校前。
高級住宅街が背後に控えるエリア。
電車など交通の便はすこぶる悪い。


駒沢通り沿いにある立派な門構え。
前を通る時いつも気になっていた。
2階も有名な高級鉄板焼きの店だ。



大きなカウンターとテーブル席と個室。
記念日や接待にも十分使える雰囲気。
白でまとめた内装は清潔感があふれる。


鱒の燻製
三枚におろしてマリネに。
藁で燻製にして旨味を出す。
まろやかで少しだけ温かい。



グレープフルーツと
フィーヌゼルブのソース。
パセリ、エストラゴン、
セルフィーユ、シブレットなど
生のハーブのみじん切りだ。


アスパラのスープ
しっとりとしたコンソメ
思わずため息が出る一皿。



パン
バターの香るバンズと
油脂を入れないプティパン。
毎日オーブンで2種類焼く。
ふんわりとほのかに香る。



前の日の残り生地を少し入れて焼く。
有機酸による独特の香りと感触が出る。
パートフェルメンテ法という製法らしい。
帰りのお土産にたくさん包んでくれた。


ワイン
ブルゴーニュの「ドメーヌ・アルロー」。
ピノ・ノワールのピュアな果実味を
ダイレクトに味わうことができる。
アルロー氏はいま注目の若手だと。



日本の食材で日本人のためのフレンチ。
火入れと味付けは最小限の素材主義だ。
さらに自宅にお客を招くようなもてなし。
箸や和陶器を使いぬくもりを演出する。


カウンターはブビンガーという南洋材。
始めのうちは歪んだり縮んだりしたが
毎日毎日磨くことで落ち着いてきたと。
店のしおりに書かれたエピソードから。


お野菜のエテュベ
「エテュベ」とは蒸し煮。
少しの水で蒸した野菜は
甘みが引き出されて美味。
ごく軽い塩味でいただく。
食材により左右される一品。



わかさぎのエスカベッシュ
軽く揚げて酸味のソースで。
マリネというより南蛮漬け。
ワインにとても良く合う。



赤ピーマンのムース
勝手に甘い味を想像していると
ピーマンの味でビックリする。
慣れると美味しい不思議な一皿



ワイン
ボルドーの「シャトー・クルタン」。
口あたりはまるくジューシーで
力強い果実味と渋みのバランス。
「シャトー・ムートン」の隣の畑。
レベルが高いのにリーズナブル。



玉木裕シェフは神戸生まれの51歳。
自らテーブルで料理を説明してくれる。
いつもニコニコと笑顔を絶やさない。
落ち着いた口調に人柄がにじみ出る。


パリの「ラ・マレ」と原宿の「重よし」。
日仏の名店で本格的に修行を積んだ。
自分の名前を冠した店を開いて3年。
料理人として脂が乗り切ったところ。


的矢牡蠣のフライ
筍とこしあぶら添え。
三重県志摩市的矢湾の牡蠣。
ふっくらと甘く柔らかい。
筍の食感とこしあぶらの香り。



この後桜鯛のシャンパン蒸し。
不覚にも写真を撮り忘れる。
前菜の鱒と少しかぶるかも?


神戸牛
炭火焼きのフィレステーキ
ボリューム控えめがうれしい。



デザート
アイスクリームと
ショコラマルキーズ。



ココナッツのブランマンジェ
タピオカソース。
イチゴのタルトの3品。
ペロリとたいらげた。


季節ごとに店からパンフレットが届く。
タイトルに「玉木亭の美味礼賛」とある。
旬の食材やスタッフのエピソードなど
今なら春の店の様子がつづられている。


礼儀正しくかつ親近感にあふれた文章は
まるでシェフからいただいた手紙のようで
「また玉木さんのお宅に伺おう」と素直に思う。
玉木
03−6419−8515