渋谷・やきとん大地

暴行問題で引退した元横綱朝青龍の断髪式。
昨年離婚した元妻のタミルさんが式典に主席。
「今後も妻として朝青龍を支えて行く。」
おかみさんとして復縁したことを認めた。


さて、渋谷のホルモン「やきとん大地」である。
おしゃれな公園通り東京山手教会の前にある。
看板が控え目でちょっとした隠れ家風の演出。
たった4文字の「やきとん。」に思わず笑う。



同じ看板を公園通りの上のほうから見る。
少しだけエスカレートしていてまた笑う。



店は7階だがエレベーターは6階まで。
あとは階段を上がって小さな扉を開く。



中にはテーブルとカウンターの広い店。
すでに満員のお客の嬌声に気圧される。
元気で愛想のいい店主がすぐ出てくる。
注文は連れの常連さんにおまかせする。


カシラ
カシラはやきとんの王様。
脂たっぷりの豚のホホ肉。



レバ刺し
珍しく串に刺さっている。
ゴマ油の香ばしさと一緒に。



ガツ
歯ごたえのある豚の胃袋。
はずせないバリエーション。



ホームページがおしゃれでセンスがいい。
冒頭の表の看板が表紙に使われている。


店主が父に連れられて行ったホルモン屋。
昔渋谷公園通り入口にあった「いなぼ」。
串焼きのうまさと大人の世界への憧憬。
それが「やきとん大地」の原点になったとか。


「いなぼ」はだいぶ前になくなっている。
その味を継いだ百軒店の「やきとん家」も
今は四谷三丁目に移転してしまったとか。
「大地」が今ここにあるのは使命感なのか。


じゃがいもとさつまいもの餃子
文字通りなのである。
餃子の餡に芋である。
これはこれでありか。



ジャンボマッシュルーム焼き
マッシュルームの丸焼き。
肉汁ならぬ茸汁(?)たっぷり。



渋谷公園通りの東京山手教会と言えば
わが世代にとってはジャンジャンである。


中村伸郎のロングラン一人芝居「授業」。
高橋竹山津軽三味線定期演奏会
創設期シェークスピアシアターの公演。
イッセー尾形が脚光を浴びたのもここ。


今は「クラシックス」というライブハウス。
クラシック以外にも様々な演奏が行われる。
ジャンジャンのオープンは1969年とか。
その頃近くに「いなぼ」はあっただろうか。


シロ
クニャクニャの食感が気持いい。
カリカリのこげ目もまたうまい。



マクラ
様々な部位をミンチ肉に。
そしてなぜかニラで巻く。
最後に一人一本の限定版。
まさにやきとんの総集編。



公園通りはいまでこそ若者の街の象徴だが
昔からアンダーグラウンドの萌芽があった。
山手教会のとなりの西武百貨店駐車場には
唐十郎状況劇場の紅テントが来たことも。



写真の中央にポスターをじっと見つめる唐十郎
駐車場のフェンスの向こうに山手教会が見える。
教会とパルコの間、今はGAPになっている所か。


李礼仙、根津甚八四谷シモンの「吸血姫」。
状況劇場の全盛期と言える1971年の作品。
(写真は「写真集唐組」からお借りした。)


煮込み
当店名物味噌味のもつ煮込み。
ほかに塩味のナンコツ煮込み。
さらに醤油味の豚足煮込みも。
今度来た時に試してみたい。



炊き込みご飯
豚肉とさつまいも。
よく混ぜていただく。
ホクホクとまたうまい。



若い人の嬌声に誘われるままに飲む。
そこに60年代への郷愁など別にない。
3人でワイン3本も空けてしまったか。
それでもお代は2万円そこそこで済む。


60年代のアンダーグラウンドから続く
渋谷公園通りのもって生まれた革新性。
「いなぼ」の由来を知ってか知らずか
渋谷の若者は今日もやきとんを食らう。
やきとん大地
03−5428−0133