新橋・きっちんかご

ユーロ108円台に下落で8年半ぶりの水準。
欧州の財政問題拡大を懸念したユーロ売り。
日経平均株価は一時300円を超す大幅下げ。
W杯ウィークを前に世界経済がめまぐるしい。


さて、新橋の居酒屋「きっちんかご」である。
うまい黒豚をいただける薩摩料理の名店だ。
烏森口宝くじ売り場で待ち合わせて徒歩1分。
鹿児島出身のイケメンK社長に連れられて。


居酒屋や料理屋がスズナリにある飲食店街で
もともと「さつま料理かご」を営業していた。
向かいのビルに「きっちんかご」をオープン。
オーナーの息子夫婦が運営する2号店である。



7、8人のカウンターと10人ほどの小上がり。
午後7時の店内はすでに満員で活気にあふれる。
ギリギリいっぱいの店内で隣の客と袖擦り合う。
その窮屈ささえ飲むほどに心地よくなって来る。


鳥刺し
最初に出る鳥刺しで店の本気度がわかる。
「今日はおいしい白レバが入ったから。」
さりげない解説に自信がみなぎっている。



奥から白レバ、もも刺し、ハツ、砂肝。
絶品の白レバが舌の上で溶ける。
「おぉぉぉっ!」と歓声が上がる。


きびなご刺身
地鶏の刺身と人気を二分するとか。
今朝取れたばかりの新鮮なお刺身。
まばゆい光沢としっかりした身と。
酢味噌をつけて贅沢にほおばる。



かつおの腹皮
これも鹿児島の郷土料理だという。
腹皮は脂の乗ったハラスにあたる。
地元では塩漬けにすることが多い。
こちらは生で酒によく合う塩加減。



オーナーの上水流洋さんは元プロ野球選手。
Wikiでざっくり球歴を拾ってみると・・・。


鹿児島商工→住友金属からヤクルトに入団。
4年間2軍で練習を積み1976年1軍に。
最初の打者衣笠祥雄にホームランを打たれた。


現役引退後もヤクルトでコーチとして活躍。
2001年ヤクルト5度目の日本一を達成。
その年に引退してから新橋に一軒目を開く。
この店もおそらくはつばめ党の巣窟なのだ。


ピーマンと昆布
なんということのない和えものがうまい。
田舎の食卓に出てきそうな素朴な味わい。



冷やしトマト
小ぶりだが思いっきり甘いトマト。
みんなで先を争うようにして食う。



鯖の昆布巻き
ひと手間加えてこれもうまい。
鯖の切り身を昆布で巻いて煮る。
微妙な薄味で食感を楽しむ酒肴。



鹿児島出身の人は確かに業界に多い。
指折り数えるとすぐに両手がうまる。
薩摩隼人と聞いてうなずける人たち。


風俗習慣を異にして中央政権に抗う。
歴史的にもスタンスは一貫している。
大がらで武芸に秀でる武闘派の系譜。


地鶏もも焼き
やわらかくてジューシーなもも焼き。
塩コショウだけでシンプルに味付け。
カリカリの皮ともっちりのももの肉。



黒豚餃子
黒豚挽肉たっぷりの羽つき餃子。
しゃぶしゃぶの前のアクセント。



黒豚しゃぶしゃぶ
鹿児島直送の黒豚しゃぶしゃぶ
桃色の薄切り肉のディスプレイ。
野菜もたっぷりとれてヘルシー。
しめのラーメンがスープに合う。



汐留からD社やNテレの人が来るらしい。
帰り際カウンターに顔見知りの人がいた。
タイトな空間にやがて一体感が生まれる。
酒が入り興が乗れば鹿児島弁も飛び交う。


にぎやかな薩摩料理の店ですっかり腹一杯。
小学生時代に読んだ松本零士の青春群像劇
男おいどん」をなぜか懐かしく思い出す。
薩摩隼人」のキャラとは真逆の漫画だが。
きっちんかご
03−3433−3353